池の中から発見された庚申塔

 

東京都あきる野市増戸(ますこ)地区には不思議な庚申塔がある。地域の伝説によると、昔、近くの池から発見されてこの地に運んできてお祀りするようになったという、いわくつきの庚申塔である。また、庚申塔の上部には変形した卍が刻印されているが、見るからに十字架であり青面金剛立像もどちらかといえばマリア様のようなお姿である。明治の初め頃までキリスト教が邪教として迫害を受けていた史実は各地に伝えられているが、当地にも隠れキリシタンがいたことを示す重要な手がかりだということを、この庚申塔は物語っているのではないかと考えている。

 

変形された卍は十字架を表しているのではないか

 

 

青面金剛立像の下に三猿の姿が見える

 

庚申塔の横には魔よけの「鉄のワラジ」が飾ってある。