民事実務は、最初に問題用紙をぱらっとめくって刑事実務の設問が6つもあるのがわかったため、とにかく早く終わらせようと急いで解きました。結局、90分かかってしまいましたが。

 

設問3(1)は、とりあえず二重の推定を書きました。これでいいのかは自信がありません。

 

最後の設問3(2)「答案用紙1頁程度の分量で記載しなさい。」が一番配点ありそうだな、というのはわかるのですが、私はこの設問が苦手で、どうしても1頁を埋めきることができません。



第1 設問1
1 設問1(1)
 Pが取り得る法的手段は、占有移転禁止の仮処分命令の申立て(民事保全法25条の2第1項、13条1項)である。この手段をとらないと、口頭弁論終結前に本件壺の売買等により占有が移転した場合、既判力(民事訴訟法114条1項)が及ばないため紛争の解決にならないという問題がある。
2 設問1(2)
 本件訴訟において選択する訴訟物は、所有権に基づく返還請求権としての動産引渡請求権である。
3 設問1(3)
(1)本件壺のA所有について権利自白が成立すると考えられるから、①に入る事実は「Aは、平成27年3月5日当時、本件壺を所有していた。」となる。
(2)②にはBX間の売買に関する事実が入るから、「Bは、平成28年5月1日、Xに対し、本件壺を代金150万円で売った。」となる。
(3)③にはY占有の事実が入るから、「Yは、本件壺を占有している」となる。
4 設問1(4)
 Pは、即時取得による所有権取得の主張を検討したと考えられる。その主張を断念した理由は以下のとおりである。
 即時取得には、「占有」を始めたことが必要となる(民法192条)が、判例によると、占有改定(民法183条)は含まれないとされている。即時取得制度は、動産の占有に公信力を認めたものであるが、占有改定では、前主の占有に変更が生じたとはいえないからである。本件では、平成28年5月1日のBX間の売買の際、Bは、「Xのために占有しておきます」と言っており、占有改定にあたる。したがって、即時取得は認められない。
第2 設問2
1 設問2(1)
  一つ目の抗弁は、即時取得の抗弁である。もう一つは、対抗要件具備による所有権喪失の抗弁である。
2 設問2(2)
  Xの再抗弁として、先立つ対抗要件の具備が想定される。XYは、Aを起点とする二重譲渡の関係に立っており、先に対抗要件を具備した者が所有権を取得する(178条)。Yは、平成28年5月15日に代理占有者Bから現実の引き渡し(181条1項)を受けており、対抗要件を具備している。しかし、それに先立つ平成28年5月1日、Xは、Bから占有改定(183条)により引き渡しを受けており、Yより先に対抗要件を具備している。したがって、Xの再抗弁が認められることから、Qはこの抗弁を主張しなかったと考えられる。
第3 設問3
1 設問3(1)
(1)本人の署名又は押印がある場合、当該署名又は押印は本人の意思に基づいてされたものと推定される(事実上の推定)。そして、民事訴訟法228条4項により、文書が真正に成立したことが推定される(法定証拠法則)。いわゆる二段の推定である。
(2)本件では、Bの記名はパソコンとプリンターを使って記載されたものであり、署名とはいえない。したがって、裁判所としては、Bの記名によっては本件領収書の成立の真正は推定されないと考えることになる。
(3)一方、B名下の印影については、三文判ではあるものの、Bの名義の押印であるため、二段の推定により、原則として本件領収書は真正に成立したものと推定される。第1回口頭弁論期日において、Bの弁護士Rは、押印はBの印章によるものではないと主張しているから、Rとしては、事実上の推定を破るため、Bの押印がBのものでないことについて反証する必要が生じる。以上より、裁判所としては、Rの反証がない限りB名下の印影により本件文書が真正に成立したと考えることになる。
2 設問3(2)
(1)Bは、Xから150万円は受け取っていないと主張しているが、平成28年5月1日付けのB名義の150万円を受け取った旨の領収書がある。日付は、XとBが会った日と一致している。また、三文判ではあるが、B名義の押印もある。
(2)X名義の貯金通帳によると、平成28年5月1日付けで、150万円が引き出されたことが記載されている。この日付は、XB間で売買契約があった日と一致している。したがって、この150万円の引き出しは、Xが本件壺の売買代金として引き出したものである。
(3)Bも認めているように、AはBから平成29年5月2日にBから200万円を借金の返済として受け取っている。Bは、200万円は父親から借りたと主張しているが、たとえ親しい仲であっても200万円という大金の貸し借りにあたっては領収書を作るのが通常で、書面を作っていないというBの主張は信用できない。この200万円には、Xが交付した150万円が含まれている。
(4)以上のように準備書面に記載する。

 

以上

 

AD