なるべく優しい人でありたい、と思っている。

今でも自己本位的なところはあるが、昔はもっとひどく、それで痛い目に遭ったことは数え切れない。

だからなるべく誠実に、真面目に、優しい人でありたいなと思って、ここまで生きてきたつもり。一応。

 

僕が考える「優しい人」のひとつが、「頭ごなしに相手を否定しない」だ。

「オタクはすぐに否定する」「すぐに自分を主張する」と言われがちで、実際自分自身の中にもそういう自分がいるが、日々生活をするにあたってはぐっと抑え込み、なるべくニコニコ……、笑顔かどうかはさておき、平穏でいられるよう努めているつもりだ。

会社で先輩の暴言も聞けば、家では妻の愚痴も聞き、SNSで日々飛び交う「しょーもな」にお気持ち表明をすることなく、日々を穏やかに、淡々と過ごそうと努めている。

 

そんな心優しいわたくしがマスターデュエルで今回使ったデッキが【ドライトロン宣告者】です。

否定って楽しいね!!!!

 

(否定否定否定!!!)

 

 

 

というわけで先日新パックが登場したマスターデュエルのお話しです。

ふわんだりぃず実装を期待してジェムを貯めていましたが叶わなかったため、以前から組みたかった【ドライトロン宣告者】を作りました。

デッキはこんな感じです。よくある構築ですが、後手の返しをしっかりしたかったので、<ライトニング・ストーム>を2枚積んでいます。41枚なのは個人的な好みです。

 

(シーアーチャーさんの構築を参考にしました)

 

 

これまで何度か対面したこともありますが、それ以上に悪評は散々耳にしたこのデッキ。

「とにかくアルデクがクソ」「イーバ禁止しろ」「弁天制限しろ」「ドライトロンと名乗るな」など、SNSもびっくりな罵詈雑言がバリバリ飛び交っており、聞けば聞くほど「アルデク立てればイージーウィンってことは、自分に合ってるんじゃね?」と心惹かれ、とうとう組みました。まあめっちゃすり抜けましたけどね……。

ウィクロスでは【匠ウリス】【2アン】【フルムーンサシェ】といった完全耐性押し付けデッキ、ハースストーンでは【シャダウォック】などの強烈な勝ち筋を押し付けるデッキを愛用していたので、肌に合うかなと期待していました。実際は期待以上で、アルデクをゴリゴリに押し付ける快楽に病みつきになりました。めっちゃ楽しかったです。

 

先攻展開はもちろんで、アルデクを立てたら相手が爆発することがほとんどです。堪え性がないなあ……。

怪獣なりラヴァゴなりで処理されることもありますが、往復イーバで手札に朱光を山程抱えており、相手の要所をしっかり止めて、自分のターンに墓地のドライトロンを起点に高リンクにつなぐ、という動きもできるのが魅力的です。

アルデク1本道のデッキと思われがちで、多くの試合では実際にその通りなのですが、相手の誘発をいかに避けるかだったり、止められた後の復帰や立て直しを見極めたりするのは、使ってみて初めて分かった楽しい要素でした。墓地を起点に動くさまは、どこか【8征竜】を彷彿とさせますね。

後手に関しても<ライスト>があるのはもちろん、誘発も他のデッキより多いことから何とかなりやすいです。無理なものは無理だけど、絶望的というほどではなさそうなのがいいですね。

 

(16連勝なんて初めてです)

 

「自分がされて嫌なことを、相手にしてはいけません」と幼稚園で教わったかと思いますが、カードゲームの盤面においては、自分が嫌がることを相手にしてナンボです。

「はいダメーwww」「無効ですwwww」「あ、それはいいよ」「えー、やっぱダメwww」と、画面の向こうにいる名前も顔も知らない対戦相手を全力否定するゲームを押し付けるのは、最高のストレス発散です。

こと、常日頃聖人君子のごとく穏やかにニコニコに生きているわたくしですので、心の中にはドス黒いものが山ほど溜まっているわけですね。会社とか世間とか世の中とかしょーもなとか。そのストレスをデクレアラーに込めて「ダメ!」と叩きつけるのは、なんだか新しい性癖に目覚めそうでした。というか目覚めました。マウントっていいね。

普段【ドライトロン宣告者】にグニャグニャにされている方にこそ握っていただきたいデッキです。ことカードゲームでは「自分がされて嫌なことは、お前もやれ!」ですよ。

 

「お前が聖人君子とかありえんだろ」というコメントは<崇高なる宣告者>で無効にさせていただきますのでご了承ください。

あっ、一滴投げないで、あっやめて、ごめんなさい。じゃあ朱光投げます……。

 

 

(イラストかっこいいよね)

 

 

ちなみに回していて一番困ったのが、<バンα>にうららなどを合わせられることでした。

<宣告者の神巫>に当てられても「ああそう……」で済みますが、<バンα>が止まると後続の<弁天>が1つ減るので、そこがダルかったです。他の手札によっては全然動けますけど。

相手にしたときも対策ができそうなので、そういう意味でも組んでよかったです。

 

 

日常生活でどんなにつらいことがあっても、どんなに理不尽なことを言われても、心のアルデクと一緒に天使を投げて、しょーもない世の中を生きていける気がします。何か意味わからんこと言われる前にアルデク出しておけば、明日の会議も上司の無茶振りも乗り切れそうですし。

それ以上にどんな理不尽な世の中でも、できれば優しく、誠実でありたいなと願うばかりです。心の中の宣告者とともに……。

 

ではまた次回の更新で。