国公立大学前期日程の試験が終わったと思ったら,今度は後期日程の試験を受ける生徒もいますし,私立大学の後期日程に臨む生徒たちもいます。まだまだ気は抜けません。小論文がだいぶ溜まっているので添削しなければ・・・。今回書いてもらっているのは,感染症と人間生活の関わりについて書かれた文章です。光文社新書になっていますが,「感染症と文明」というほんの一部です。

 

 小論文では具体的にグラフやデータが与えられている場合はその数値を使って論述するのが「ルール」のようです。結核患者10万人あたり死亡する人の割合が1910年ごろから1990年くらいまで表にまとめられています。日本とアメリカ,フランスとオランダ。日本と他の国家との違いを説明しなさいという問題でした。

 

 よくあるミスの例として,日本以外の国家の死亡者数がどうしてこうなっているのかを一生懸命説明する答案を書いてしまうこと。あくまで日本と他国の違いについて書いてくれればこちらは満足なのです。実はオランダの死者数の変化の仕方が若干イレギュラーでして,その話を始めてしまうと話の収集がつかなくなる危険があります。個別国家の結核による死亡者数については論じる必要がないということをしっかりと問題文から掴んでおくことが大事です。

 

 問題文をいかに読むかで問題の難易度は簡単に変わってきますからね!これは真面目に話していることです。きちんと覚えておいてほしいな!これは小論文に限った話ではなく,どんな教科にも言えると思いますよ!数学は最初のとっかかりで意味がわからないと,意味の理解を諦めて公式の暗記に走りがちです。講師にもそういう勉強を推奨している方がいるので嘆かわしい・・・。そうじゃないのですよ,数学は言葉の意味をしっかりと理解するのが一番大事なのです。円周率の意味を説明できますか。正弦と余弦の意味を説明できますか。

 

 

 

 これが説明できれば今のお前さんの人生はない(我が家のぬこ様 平成24年没)。

 

 

 

 そうなのですよね・・・痛いほどわかります。暗記に逃げていた高校生時代。それでも納得がいかなくて先生に質問をふっかけていました。わからないなりに知ろうと思っていました。結果的に理系科目は全然ダメでしたが,高校三年生の文系理系の分かれ道の時に理系に引き摺り込まれることとなりました。嫌だって言ったのに〜本心では文系と決まっているって言ったのに〜💦。

 

 しかし,医学をはじめサイエンスに対する興味は人一倍ありました。なんで光学顕微鏡で見えないものが電子顕微鏡で見えるのだろう。どうしてCTやMRIのような非破壊検査ができるのだろう。ホルター心電図は心電図の電極を4つくらいつけて24時間心電図を記録するのですが,記録媒体は当時カセットテープでした・・・。どうやって心電図を出してくるのか・・・。本当に不思議だったものです。

 

 命を持ついきものと心を持ついきものの違いにも興味がありました。・・・心がない生き物って実は存在しないことをあとから知るのですが・・・。生命と物質の境目がどこにあるのか,真剣に考えていたことがあります。その際に「超分子化学」という学問分野に興味を持ち,この分野の創始者の「Jean Marie Lehn教授」に会いに行ったこともあります。

 

 別に理系の素養がなかったわけではなかったようです。この先生には慧眼があったのだと言わざるを得ません。

 

 

 

 

 私はとにかくそのまま詰め込む勉強を最小限にしていました。もし詰め込むとしても,なるべく早い時期にきちんとした理解ができるように,とにかく量をこなしていました。たくさんの事例に触れて考えるうちにだんだんその分野の考え方に慣れてくるものです。そしてだんだんその分野の蘊蓄がわかってくる・・・。言葉の定義を大事に,どうしてこんな法則が出来上がったのかを言葉で説明できるくらいまで習熟すること。これができないと理系教科は苦しくなりますよ。

 

 数学の文章題というと「きはじ」「くもわ」などのてんとう虫算を用いているようでは苦しいです。時速を分速に直したり,秒速を時速に直したり。そういう変換をスムーズにできるようにするためには数値の単位に注意をする必要があります。逆にそれができれば無理に公式を作って考えなくても大丈夫・・・。

 

 

 

 

 

 これまで以上に問題文を理解すること,書かれていることを理解すること,問題で求められていることをきちんと解答し,余計なことを書かないこと。この辺りを守っていただければ国公立の記述式問題はうまくいく可能性が上がりますよ!もちろん基礎知識はいります。未学習状態で夏期講習腕入られても,なかなか医学部に受かるのって難しいですよ・・・。

 

 実は小論文,生徒の学ぶ力を伸ばすのに良いのではないかと思いはじめています。国語を試験科目に使う子にやってもらうかなぁと考えている最中です。

 

 

 

 

 これから弊塾で頑張っていこうと思っている生徒を募集中です。ご興味をお持ちくださった方は,弊塾ホームページ「塾長への直行便」をご利用いただくか,私のメールアドレスまでお便りをいただければと思います。電話はあまり出られずに申し訳ありません。気がつき次第折り返し連絡を差し上げますので,お待ちくださいませ。お電話をいただいた場合,当日中にお返事を差し上げるようにしていますが,何かの手違いでその日のうちにお返事ができないことがないとも限りません。そういう場合はメールでご連絡いただければ幸いです。

 

 元気な新入生諸君にお会いできることを楽しみにしています。

 

 お読みいただきありがとうございました。

 

 

 

 

ONゼミナール代表 長田 俊将

www.on-semi.jp