国民投票では、国民が賛成か反対かを判断する際、メディアが大きな役割をはたすと考えられている。

 国民投票運動は原則として自由で、憲法で言論の自由も保障されている。憲法改正についての報道に制限はない。新聞や雑誌など活字メディアに意見広告を載せるのも自由だ。

 ただ、国民投票法は、テレビとラジオで改憲案への賛成・反対を勧誘する有料のCM放送だけは、投票14日前からいっさい禁じた。「中略」

しかし、現状では不十分だという声が残っている。14日前から禁止というのは、逆にいえば、それ以前はだれでも自由にCMを流せるということだ。しかも、「賛成に投票を」とよびかける勧誘ではなく、「私は賛成です」と意見表明するだけの内容なら、14日前以降も規制対象にならない。

 「中略」

 公平性の問題もある。CM料金はキー局のゴールデンタイムなら1本数百万円とされる。国民投票運動には、通常の選挙運動と違って費用の制限はない。資金力のある側がCMを大量に流せて有利になり、投票行動に影響を与えかねない。

 2015年にあった大阪都構想の住民投票では、賛否両陣営が計数億円の広報費を投じ、イメージ先行型のCMを連日放映。「消耗戦だ」と批判があがった。

 そのため、有料CMを全面的に禁止すべきだという指摘がある。16年に欧州連合(EU)離脱を問う国民投票を実施した英国では、全面禁止した代わりに、賛否両派の代表団体に無償でCM放送枠を平等に割りあてた。賛成・反対のCMが同じ量となるよう、放送時間や資金を規制すべきだとの意見も根強くある。

 一方、憲法や言論法の専門家らからは「CMも表現の一つであり、表現の自由の観点から規制は問題」「言論には言論で対抗すべきだ」などと規制強化に反対する声も出ている。インターネットが発達するなかで、放送だけを規制することへの疑問もある。

 日本民間放送連盟は法規制に一貫して反対し、国会などで「自主的判断に任せてほしい」と訴えてきた。ただ、放送界の自主ルールはまだできていない。(石川智也)

(教えて 憲法)賛否のテレビCM、資金ある側に有利か
石川智也2018年4月21日17時55分
https://www.asahi.com/articles/ASL3V5KP8L3VTIPE021.html


俺も最低でもテレビCMを無尽蔵に流すことだけは止めたい。そして、国民投票法には広告規制がない、という致命的な欠陥があることが広く知れ渡ればいいと思ってる。


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国民投票法を改正して広告規制を
──国民投票になれば、そうしたタレントも動員しての連日のプロパガンダが繰り広げられるわけですね。テレビをつければ改憲派の主張一色。そんな事態になれば、改憲に賛成・反対という意見を決めていない人々は大きな影響をうけてしまいます。

本間 福島原発事故以前、電力会社のプロパガンダで7割もの国民が原発政策を支持していたみたいにね。広告宣伝のテクニックで国民の意識をある程度変えることが可能だということです。一方からの圧倒的な量の広告宣伝攻撃に晒されると、多くの人はそれを不思議と思わず、無意識に洗脳されてしまう危険性があるんです。問題はまだあります。こうした大量の広告出稿で潤うのが、他ならぬメディア企業だということです。さらに改憲派からの大量の広告が、そのオピニオンや報道内容、主張にどう影響するのかという懸念もある。

──聞けば聞くほど恐怖を感じます。その改憲シミュレーションを阻止するために、何か方法はあるのでしょうか。

本間 2016年からジャーナリストの今井一さんが主宰する「国民投票のルール改善(国民投票法の改正)を考え求める会」で話し合いが行われています。いろいろと議論がありますが、広告規制の問題に対しての危機意識はみなさん高いようです。今のままだとフェイクCMなども垂れ流されてしまいますから、最低でもテレビCMを無尽蔵に流すことだけは止めたい。そのために、たとえば国民投票は国の行事ですから、国が国民投票広報としてCM予算を全部出すという案や、企業、個人による「イエス! 改憲」みたいな広告は禁止するなどの法改正案や自主規制案を考えています。他にも現行法では、戸別訪問も物品を配ることも飲食のふるまいもOKですし、抜け穴がたくさんあり、“改憲うちわ”などがお祭り会場で配布されかねません。さらに、第三者の監視、検証機関についても法律で定められていないんです。ですから、まず国民投票法そのものを見直す必要があります。そして法改正のためには、国会議員の尽力も必要です。「求める会」の会合には民進党の桜井充氏や杉尾秀哉氏、立憲民主党の山尾志桜里氏、自由党の山本太郎氏などの現職議員も参加しています。また民放連も何も規制しないのはまずいという方針になっていると聞いていますが、しかしマスコミの腰は重いんです。なにもしないままの方が広告代理店やマスコミは潤うから(笑)。そしてもし憲法改正が発議された時点で、護憲派が何の準備もしていなかったら、それは罪だとさえ思います。そうならないためにも、国民投票法には広告規制がない、という致命的な欠陥があることが広く知れ渡ればいいと思っています。

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 本間氏が語るように、改憲発議を目前にしてもなお、護憲派は有効なPRを準備できずにいる。その間、改憲派は自民党を中心に電通とタッグを組み、着々とリサーチや世論誘導を進めている。

 すでに、世論調査の傾向を見ると、ずるずると改憲の方向へ引きずられている。たとえば共同通信が今年1月13・14日に行った調査では、憲法9条に自衛隊を明記する首相の提案には反対52.7%で賛成35.3%を大きく上回った。ところが、同じ共同通信が3月3・4日に行った調査では、同じ質問で賛成が39.2%と上昇し、反対が48.5%とついに過半数を割った。

 何度でも言うが、安倍政権による憲法改悪は、緊急事態条項の新設からもわかるように、現行憲法で保障された国民の基本的人権や自由を奪い、国家に従順させようとするものに他ならない。しかし、現行の国民投票法は発議した側と金持ち、つまり自民党に圧倒的有利となっている。このまま状況を黙って見ているだけでは、改憲は食い止められない。その危機感を共有し、一刻でも早く行動に移すことが求められている。

(編集部)

『メディアに操作される憲法改正国民投票』著者・本間龍氏インタビュー

安倍首相が党大会で「改憲」強行を表明! 裏では電通に依頼して国民投票に向けた大規模広告戦略を計画
http://lite-ra.com/2018/03/post-3901_4.html

↓この動画見て抗議の炎を燃やせ!そして希望の炎も燃やせ!!