【公開】
2019年(カナダ、アメリカ合作映画)
【監督】
フランソワ・シマール、アヌーク・ウィッセル、ヨアン=カール・ウィッセル
【キャスト】
グラハム・ヴァーチャー、ジュダ・ルイス、ケイレブ・エメリー、コリー・グルーター=アンドリュー、ティエラ・スコビー、リッチ・ソマー
【あらすじ】
1984年、オレゴン州イプスウィッチ。緑豊かな郊外の住宅街で暮らすデイビーは、エイリアン、幽霊、猟奇犯罪などの記事の収集に余念がない少年だ。
そんな彼の15歳の夏に、近隣の町で同年代の子供たちばかりが狙われる連続殺人事件が発生。その犯人が向かいの家に住む警官マッキーではないかとにらんだデイビーは、親友のイーツ、ウッディ、ファラディとともに独自の捜査を開始する。
はたしてデイビーの推理は正しいのか、それとも行きすぎた空想なのか。
やがてデイビーの行く手に待ち受けていたのは、彼の想像をはるかに超えた恐ろしい現実だった……。
78点
ストレンジャーシングスやITの影響が色濃い映画だが、そちらのメジャー勢ができないことをやってオリジナリティを確立した一作。
途中まで同じようにやっているのに終盤でターボキッドの監督陣らしいツイストを加えてきた。
途中まで普通に愉快だったのにな。84年らしくグレムリンやらイウォークやら時代ネタがバンバン出てくる。
そして陰謀論好きの主人公の部屋の新聞切り抜きに「月面にナチスの基地が!」っていうアイアンスカイへの目配せまであったりと映画ファンはニヤリとしてしまう仕掛けがチラホラ。
そしてこの手の映画の肝である少年たちのやりとりの笑いとか、童貞どもを翻弄するいいお姉さんとかツボはしっかり抑えている。
個人的にはメガネのファラデーが可愛かった。ウッディはやたら老けてるかと思ったら役者25歳だった笑。
自転車で並んで走ったり、隠れ家に集まったり、トランシーバーでやり取りしてるのも、80年代大好き組にはたまらないけど、それは全部ミスリード。
ストレンジャーシングスの後味を期待すると地獄に叩き落とされてしまう。
ああ・・・ウッディ・・・。
もうこれ見たら誰も子供外出させたくなくなるだろうな。
思春期と言うのはまだ何者でもない分、自分は何にでもなれると過信してしまう万能感にあふれた時期で、主人公も自分なら事件を解決できると思ってしまった。
彼が無能なら何にも起きなかっただろうけど、変に優秀だったために最悪な結末を迎えてしまう。
そしてヒロインとも会話もできずお別れに・・・。
人生には落とし穴がある。
うまく行けばそれの揺り戻しがある。
それがリアルな現実の物語。
ほかの漂白された青春ホラーと違って有象無象の上手くいかなかった連中の不発の青春の象徴に見えた。
ラスト、自分の可能性を無限に信じていた少年が、自分がいつか殺される予感を感じながらビクビク生きていかなければならないって切ないけど、でも大半の人間は青春期の終わりにいつか自分が死ぬことを意識して可能性を閉じていくわけだから、我々の現実に近い物語ではあるかな。
友情が簡単に崩れてしまうのもリアル。
ああ、でもモヤモヤする・・。
ちなみにマッキー役の普通の人にも変態にも見える絶妙なビジュアルも見事でした。
子供たちにアイスバーを上げている場面があったけど、あの中から将来のターゲットを選ぼうとしていたのかな。あとたぶんマッキーも幼少期になにかされていたんだろうか。
好きな映画ではあるが、最後にツッコミを。
両親よ、あんな事件があった日に子供たちだけで寝かせるなよ!ていうか警察に保護してもらえ!
あとマッキーはいつから屋根裏にいたんだ。どの段階で自分の秘密がバレたと悟ったんだろう。
それからラストの森は一体どこなんだ。家の周りに警察がいたのにどうやってデブも含めた少年ふたりを車に積んで運んだんだ。
みたいな感じでツッコミどころは多かったけど、このラストでみんなの心に残る映画になっただろう。スキモノの人にはオススメです。
