みなさん、こんにちわ。山下達郎です。
毎週日曜日午後2時からの55分間はわたくし山下達郎がお送りいたします『ツタヤサンデーソングブック』の時間であります。TOKYO-FMをキーステーションといたしましてJFN全国38局ネットでお届けしております。
本日3月11日は東日本大震災1周年。あれから1年が経ちました。1年経って震災の記憶が風化していく、というような懸念も語られている今日この頃ですが、私の個人的な印象では風化どころか緊迫感がむしろ増大している感すらあります。2万人に迫る死者・行方不明者、34万人以上の方々が今も避難者となっておられます。ええ、あらためまして、御家族、御親類、御友人をなくされたみなさまに心よりお悔み申し上げますとともに、不自由な生活に耐えておられる被災者・避難者のみなさまに心よりお見舞い申し上げます。
とりわけ、えー、福島の原発事故による放射能汚染で被災され避難を余儀なくされた方々の御心痛、また放射能汚染の不安を抱えながら現地で生活されている方々の御心情は察するにあまりがあり、えー、重ねて心よりお見舞いを申し上げます。福島原発の情勢というのものは依然として予断を許さないものがある上に、初期対処のまずさもあって政府とか電力会社からもたらされる情報がいったいどこまでが真実でどれほどの隠蔽があるのか、多くの人々はこの1年、そして未だに深い疑心暗鬼に駆られて過ごしております。えー、さらには震災と原発災害に追い討ちをかけるようなこの間の西日本の台風被害、国際的にも金融不安や、タイの大水害、それらにともなう日本経済の地盤沈下といった、えー、そうしたなかでこの先復興にどれほど時間がかかるのか、えー、想像もつきません。
今、一番優先されるべき課題は、えー、この内憂外患の国難をいかに克服するかであり、それには挙国一致、大同団結が不可欠です。えー、こんなときに民主も自民もどこぞの省庁もへったくれもありません。それなのに、政治や官僚たちのとくにリーダーシップを発揮するべき上層部の人々ほど、相変わらずああだこうだと百家争鳴で方針決定は遅々としてなかなか建設的な方向に向かいません。彼らにさらなる自覚と自戒を求めずにはおられません。
さてあれからちょうど1年後の本日2012年3月11日、えー、地震発生時刻にあたる午後2時46分がなんとわたくしのサンデーソングブックの放送時間内という大きな巡りあわせとなりました。本来でしたらこの時間帯はわたくしの番組を取りやめていただいてJFN38局ネットでの特別番組を放送したほうが適切なのではというようなことを申し上げたのですが、わたくしのサンデーソングブックの中で何かメッセージをという局側の要望をいただきました。えー、そんなわけですのでわたしなんぞには荷が重い役回りなのですが、えー、ご指名いただきましたので、本日の『山下達郎サンデーソングブック』は
「東日本大震災1周年、追悼と復興祈念プログラム」
と題しまして全国のリスナーのみなさまに、まあ、あくまでもわたしにできる範囲でしかありませんが、ええ、ひとときの心の安らぎをお届けできるようお送りしたいと思います。
えー、昨年の3月、震災直後にお送りいたしました「東日本大震災鎮魂プログラム」の際にも申し上げましたが、19年半続いておりますわたくしのこの番組サンデーソングブックは、えー、いつもはかなりマニアックな内容の音楽番組であります。えー、ですので1周年目の本日も基本的にはいつもこの番組を聴いてくださっているリスナーのみなさまのためのプログラムとして選曲等の構成をしておりますことをあらかじめご了承ください。ただどのような番組、どのような音楽であろうとも人の心のために作られていることに変わりはありません。2時46分になりましたら、震災で犠牲になられた方のために1分間の黙祷を捧げたいと思いますので、みなさま、あらかじめご準備よろしくお願い申し上げます。
むかしからこの番組にリクエストをお寄せいただくリスナーのみなさまの中にも、被災された方々がたくさんいらっしゃいます。えー、いつもは濃いい音楽の話題を書いてお送りくださる方が、今回はひとりの人間としての露な、でもどなたも冷静で前向きな心情を書き綴ってくださいました。そうしたお便りも時間の関係で、これもごくわずかで申し訳なくはありますけれども、ご紹介してまいりたいと思います。
それでは『山下達郎サンデーソングブック』、「東日本大震災1周年、追悼と復興祈念プログラム」始めさせていただきます。
リーン あれから1年、震災のこの時期に照準を合わせて『山下達郎サンデーソングブック』を聴くことになりました。昨年の「鎮魂プログラム」は外で聴いていましたが、今回は自宅で聴きいりました。全編きくと、今回は内容がまとまっていてシンプルな番組だと感じましたが、曲を流す前の話だけでも内容が濃いことに驚きました。被災者への哀悼の意を述べ、政治の腐敗を突く。ソロシンガーとしての音楽活動を超え、ひとりの人間としての見識の高さを遺憾なく披露していることに今さらながら驚かされます。またプログラムの題名に
祈念
と当て字をしますが、これは山下達郎のホームページでこの字を当てて名付けられたものを書いております。ここに込められた達郎さんの思いを汲み取っていただければ幸いです。
今回の「追悼と復興祈念プログラム」も、達郎さんの言葉を忠実に再現するためにあえて
えー、
といった文章にはそぐわない会話のつなぎをそのまま入れております。文意が多少通りにくいかもしれませんがご了承ください。
今回のコンサートツアーを御覧になられた方はこれを聴いて、アンコールの最後に放たれたMCを思い出されるかもしれません。そのときに放った痛烈かつ精神的な団結を感じさせる言葉を思い出しながらお読みください。
次回からはリスナーのお手紙を書いていきますが、とにかく深く考えさせられるものばかりです。やはり1年経ってもこの震災は風化しない。むしろ緊迫感が増している、といった達郎さんの言葉がお手紙の中から立ち上ってくる。
震災は今も続いている。
そのことを達郎さんとそのラジオのリスナーの手紙から醸しだされる小宇宙から感じ取っていただけますことを願っております。