武士は名誉に生き女子は身請けに行き。BS時代劇『薄桜記』第5回 豪商紀文 | リーンのガラパゴスサロン~趣味や娯楽の広場

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 この回は安兵衛(高橋和也)が赤穂藩江戸留守居役・堀部弥兵衛(津川雅彦)の養子に入るという話の重要な転換点なのですが。私が印象に残ったのは


 お豊(藤本 泉)の身売り。


 父親が亡くなる。野辺の送りが終わると、お豊ひとりが天涯孤独となる。肩にかかるのは父親が作った借金だけ。日々の暮らしの糧、部屋の借り賃、これらを長屋の家主に返さなければならない。そこでやむなく吉原に借金の肩に売られていく。


 牢から出された安兵衛は長屋に戻ると、お豊がいないことを悲しむ。


「それでも、生きていくしかないのじゃ」


 典膳(山本耕史)が辛気臭く安兵衛を諭す。ちょっと偉そうになんておもうが、妻と別れ知行も取り上げられたとなれば世の無常を感じるのも致し方ない。一生かかっても返せるかどうかわからない借金を背負えばそれに流されるしかない。でも、お豊が次回、花魁姿で登場しそうです。おなごはたくましく生きるということを証明しそうです。


 それに比べて男はメンツばかりにこだわる。江戸で高田馬場の助太刀に参加し名をあげた安兵衛を、大名諸氏が召し抱えようとする。最後に安兵衛の心に残ったのは羽州米沢の上杉家と播州赤穂の浅野家。千坂兵部(草刈正雄)と堀部弥兵衛の口説き方といったら。


「上杉は何を送ったのじゃ」(弥兵衛)


「溜まり醤油でござる」(安兵衛)


「塩などは送ってはいかん。上杉は敵に塩を送ったのじゃ」(兵部)


「浅野は清和源氏の流れを組む名門じゃ」(弥兵衛)


「上杉は謙信公以来の名門。浅野は分家ではないか」(兵部)


 使える家の面子をかけて他家を馬鹿にする。映像としては二人の家老を行ったり来たりして笑いが取れる面白い作りですが、中身は男がプライドを鼻にかけるというのが浮き彫りになるという興味深いものでした。これは身ひとつで生きるお豊の方が強いかもしれません。


 結局、安兵衛は典膳の意見に従い浅野の家来になり、弥兵衛の養子になることを選ぶ。


「剣の道を選ぶとなればおのずと選ぶ道はみえるはず」


 典膳も剣の道に生きるプライドを捨てていない。


 面子とプライドに生きる男。


 すべてを捨てても生きられる女。


 世の中、どちらが強いでしょうね。

 

 ちなみに、私が安兵衛の立場だったら、紀伊国屋文左衛門(江守 徹)と組むかな。面子を捨てて力を得て他と対抗できる道を模索するかなあ。