核物理学者;金属を流し込み格納容器の穴を塞げ | 脱原発の日のブログ

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12月8日は1995年、もんじゅが事故を起こして止まった日。この時、核燃料サイクルと全ての原発を白紙から見直すべきだった。そんな想いでつながる市民の情報共有ブログです。内部被ばくを最低限に抑え原発のない未来をつくろう。(脱原発の日実行委員会 Since 2010年10月)

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2011/6/17

遅ればせながら原発事故を収束する方法を提案

核物理学者として今回の原発事故に対する失望と怒りは大きい。
原子力発電は、技術的には安全を確保できると信じていたが、安全を管理する人間に問題があった。
今まで経過を見ていたが、原子炉のことをほとんど分かっていない人々が原発の終息に当たっているように見える。なぜなら、10時間近く冷却水が止まってもメルトダウンは起こらないと考えた東電の技術者たちには恐れ入った。
数マイクロシーベルトの放射能は安全とテレビで公言した「専門家」にも驚いた。数マイクロシーベルトは1時間での話しだ。常時浴び続けたら大変な量になる。
もはや、政府、テレビや東電をとり巻いている科学者に信頼を託せる人はいないのではないか?

私は、原子核工学科で博士課程を終了したが、純粋な原子核物理を専門とし、米国で10年にわたり研究活動を続けたから、原子炉の専門家では無い。したがって、とやかく口出しする立場では無いと思っていたが、どうもそうではないらしい。
今回起きた事故は、人類史上初めての事故だと言ってよい。初めて経験する事故に対して、ルーチンワークを仕事とする技術者に事故を収束する能力が有るようには思われない。今までにないアイデアーを出す必要が有る。

今の方針で、冷却水を回し、放射能を回収する方法はいずれ破たんする。とても追いつかないし、ウランが無くなるまで続けねばならない。回収する放射能の量は半端ではない。水の循環による冷却は、、放射能を外に排出する作業であり、放射能は永遠に出続ける。新しい方法を探らなければならない。そこで、少し考えてみた。

金属(鉄、銅、鉛などが候補)を圧力容器内に投入するのが良い。金属は原子炉の熱により融解する。できた液体金属を循環するというわけではない。原子炉を溶鉱炉状態にしようという考えだ。溶けた金属は、既に開いている穴や亀裂からから流れ出るであろう。しかし、格納容器の水により冷却され固まる。固まれば、格納容器の穴はふさがるであろう。固まった金属には、放射能が含まれるが、気体になって放出されることは無いから安全である。
格納容器には水を投入するが、水に含まれる放射能の量はかなり少なくなるはずだ。冷却能力が上回れば鉄はどんどん外側から固まってゆく。追加された鉄は、圧力容器の厚さを厚くする方向に働き、どんどん安全サイドに進む。核燃料は、融解した鉄に混じり拡散するから中性子のフラックス密度が減衰し核反応は起こりにくくなるだろう。原子炉は溶鉱炉のような状態になるだろう。冷却が進めば、中心部だけが解けて熱い状態になるだろう。
10時間空だきしても持ちこたえた圧力容器だから何とかなるのでは無いか?
圧力容器にどうやって金属を投入するかは課題であるが、投入しない限り原子炉を収束し、人手のかからない状況にすることは難しいだろうから、これはやるしかないだろう。

是非、この方式を検討してもらいたい。検討するのは溶鉱炉の専門家を含めた研究チームだろう。これは首相の命によりできることだ。
金属の種類や量を計算しなければならない。現在の正確な発熱量も知る必要が有る。亀裂の大きさもなるべく正確な情報が必要だ。
やる価値が有るのではないか?可能性の有ることは全て検討してみる必要がある。やらなければならない時だ。
立命館大学教授 山田廣成


・・・・・・・・以上転載・・・・・・・・・・・・・・


今さらですが。小出さんが事故後すぐ、地下水と海側に遮蔽壁を早急に作れ!と何度も東電や国に提言してきたのに、東電は「予算がかかる」を理由に、まだまだ先ざきの行程でしかないという悠長さだ。もし、早急にこれにとりかかっていれば、度々の海への漏洩を防げいているし、内部で多少の漏洩があっても外部環境に影響はなかったはず。

…どころではない!地下水とリンクして流入している400トン/日もの高汚染水を防げたのだ。


上記の核物理学者の提案は2011年6月とある。初めて読みましたが、少なくとも地下水流入は防げるのでは。この案、どうだろう?



       [報道;地下貯水槽断念、地上タンク増設前倒し]

東京電力は、福島第1原発で増え続ける汚染水を保管するため、敷地南側に残る森林を伐採し、タンク設置場所の造成を始めた。地下貯水槽から汚染水が漏えいし、タンク増設計画を前倒しするためだが、対策は行き詰まりつつある。

 1~3号機では、事故で溶けた燃料を冷やすため原子炉に水を注入し続けている。冷却を終えた水は放射性物質で汚染されているが、これを回収して放射性セシウムや塩分を取り除き再び原子炉に注入、循環させている。これだけでは汚染水は増えないが、原子炉建屋などに1日約400トンの地下水が流れ込むため、新たに汚染水となって増え続けている。

 東電はタンク増設で対応、置き場所確保のためこれまでも森林を伐採してきた。今回の場所は敷地南側の森林約10万平方メートル。30万トン分のタンク設置を見込み、既に地盤調査を終え夏にも設置を始める。

 第1原発内のタンクの容量は約26万6千トンで、9日現在、約25万4千トン入っている。今月5日、地下貯水槽からの汚染水漏れが発覚。地下貯水槽の約2万3600トンを6月中に地上タンクへ移送することが決まり、一気に切迫した。
 東電は計画を前倒しして9月末までにタンクの貯蔵容量を約45万トンまで増やす。森林を伐採して設置するタンクを含め2015年中に70万トンまで増設するが、根本的な解決にはならない。
 (2013年4月15日、共同通信)


※福島の地元紙
「地上タンク「仮設的」と不安示す 規制委員長、抜本的対策を」河北新報
4月15日
http://www.kahoku.co.jp/news/2013/04/2013041501001968.htm
記事「・・・・今後の水の移送先となる地上タンクについて『やや仮設的なとこ
ろがある。地下貯水槽よりはしっかりできているが、何十年も持つものではな
い』と述べ、将来的な
耐久性に不安があるとの見解を示した。」
・・・・廃炉作業は東電任せではもう限界なんではないか。

「(福島)県漁連、東電に『根本的対策を』 汚染水漏えいで要望」河北新
報4月15日
http://www.kahoku.co.jp/news/2013/04/2013041501001507.htm
記事「・・・・福島県漁業協同組合連合会の野崎哲会長が15日、東電福島本社
の石崎芳行代表と事故対応拠点のJヴィレッジ(福島県楢葉町、広野町)で面会
し『絶対に汚染水が
海洋に放出されない根本的対策を国と確立してほしい』とする要望書を手渡し
た。・・・・要望書は『漁業の本格的操業がいつになるのかと落胆は大きい。汚
染水が海洋に放出され
れば福島県の漁業は復旧・復興への途を断たれかねない』と、東電への不信感を
あらわにした。」