発送電分離の危うさ | 日本を安倍晋三から取り戻す!真の国益を実現するブログ

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安倍総理大臣の売国政策に我慢ができず、ブログを始めることにしました。
真の国益を実現するため、外交・国防・憲法・経済・歴史観など
あらゆる面から安倍内閣の政策を厳しく評価し、独自の見解を述べていきます。

 先般成立した改正電気事業法に関する内容については、先日当ブログ「改正電気事業法の内容について」でもご紹介させていただきましたが、特に「発送電分離」について、何が問題であるのか、もう少し丁寧に説明させていただきます。
 なお、経済産業省においてエネルギー政策にもかかわっておられた中野剛志氏のダイヤモンド社書籍オンライン2011年5月31日版「発送電分離はありえない」等を参考にさせていただきました。

 発送電分離を推進する側の論理としては、次のようなものです。
 発送電分離とは、送配電網及びそのシステムを発電部門と小売部門から分離して第三者が利用できるようにすることなのですが、彼らは、第三者である新規の発電事業者の参入が増えれば、競争が促進され、電気料金が抑制されると主張しています。

 1990年代以降、欧米を中心に電力市場の自由化が進んできましたが、発送電分離もその一環です。日本においても、先日当ブログでも説明させていただいたように、2000年以降、小売りの自由化等段階的に電力自由化を進めてきましたが、送配電網を運営する電力会社が発電部門も所有する形態は維持されてきました。

 発送電分離・電力自由化の成功例として、よく引き合いに出されるのが北欧諸国です。しかし、北欧の場合、スウェーデンの原子力やノルウェーの水力など、価格が比較的安定した電源の比率が高く、価格変動の大きい火力発電の比率が低いという特殊性があります。一方、日本においては、大規模水力発電の立地は既に限界、原発は再稼働も困難という状況です。

 また、欧米諸国と日本で大きく異なるのが、電力系統(電力を需要家に届けるまでの発電・変電・送電・配電の設備の総称)の形態です。
 欧米諸国は、地形が長方形で平野が広いことから、各電力会社が網の目状に電力系統を繋ぎ、緊密に連携していますが、日本は南北に細長い島国であり、平野が少ないことから、電力系統は魚の骨のようにならざるを得ません
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 このため、欧米諸国は日本よりも大量の電力をより安定的に送ることができます。欧米の発送電分離は、緊密に連携された電力系統を前提とした政策なのであり、特殊な地形がもたらす電力系統の脆弱性に制約された日本には、そのまま当てはめることはできないのです。

 他では、発送電分離によって、太陽光発電等再生可能エネルギーが普及しやすくなるという意見もあります。これはどうなのでしょう?
 太陽光発電や風力発電は、天候に左右されますので電力の安定供給が難しいことは明らかでしょう。このような状況は発送電分離しても改善されるものではありません。むしろ、これらの再生可能エネルギーをより多く受け入れるためには、送電インフラを管理する主体が発電設備も一体で管理して、より高い電力の需要と供給の調整能力を持っている方が望ましいと考えます。また、バックアップの発電設備も必要となります。つまり、発送電を分離した方が、再生可能エネルギーの普及には不都合が多いのです。

 現状の原発停止下では、中東情勢の緊張等が高まれば、石油や天然ガス等の火力エネルギー価格の高騰や乱高下のリスクがあります。このような状態で発送電分離を進めると、事態はより深刻化します。
 理由としては、電力会社は、電力の需要と供給が瞬間・瞬間で一致させるような運用を強いられています。もし発電と送電が別法人であった場合、送電会社が電力需給を一致させる責任を負うことになります。しかし、発電設備を持たないまま電力需給の一致を達成することは困難極まりないのです。したがって、電力需給一致の責任がある送電会社や電気の消費者は、発電会社の言いなりで電力を購入しなければならない可能性が高くなります。一方、電力会社は、電力不足の方が電力価格上昇により利益も大きくなるので、電力の安定供給を確保しようというインセンティブを失います。

 以上のように、電力市場というものは、電力発電の現場を知らない”民間議員”が考えているような市場原理が当てはまる世界ではないのです。

 さらに問題なのは、電力自由化による競争激化は、原発事故を踏まえた安全対策や電力インフラ強化といった長期的な設備投資を手控えさせます。現に、電力会社では1995年頃から投資が削減され、なんと2005年前後ではピーク時の1/3まで落ち込んでいます。このあたりの詳細な状況については、「岐路に立つ日本を考える」ブログ様の「安直な発送電分離の議論は危険である!」をご参照くださればよいかと思います。

 この度成立した改正電気事業法では附則ではありますが、発送電分離(法的分離)が2018年から2020年を目途に実施と記されており、国会への法案提出は2015年に予定されています。

 最後に、ダイヤモンド社書籍オンライン2011年5月31日版からの中野剛志氏の寄稿記事「発送電分離はありえない」からの抜粋です。

『なぜ発送電分離という議論が持ち上がったのか。発送電分離をスローガンにしたかつての電力改革のイメージに引きずられて浮上しただけなのか。それとも、原子力賠償への税金の投入と引き換えに、東電を見せしめに解体してみせて、国民を納得させようという魂胆でもあるのか。いずれにせよ、原発事故で電力会社が意見を言えなくなったのをいいことに、机上の空論や歪んだ思惑が幅を利かせているのは、憂慮に堪えない。エネルギー安全保障は、国家の大計だ。人気取りに流れた白紙からの改革は、普天間基地の問題同様、大きな禍根を残すことになるだろう。』 


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