エミネム「リカバリー」。"薬物依存"から"回復"したエムが「Not Afraid」と宣言したアルバム。消臭文化からはこういう作品は生まれないし、この作品を評価する為にはその前に彼がどういう状況だったのかも知る必要がある。






消臭してしまったら、その土壌は失われる。
だから作品回収に反対です。

これはちょうど入院してた時にリリースされ、意味合いも含めて良いのでは?
と11zeroとKEN THE 390が見舞いに持って来てくれた。

今回のソニーの件、色んな立場の人もいるので色んな意見はある。
僕はどんな音楽でも聴いてみるので、そもそも色んな人が音楽を作ってる前提で、そんな色んな人が作ったものを楽しめるのが嬉しい。

ここでビートルズやらマイルスデイビスを持ち出しても昔の人はねー、になるので。
ブルーノ・マーズはコカインで捕まっている。
スティーブ・ジョブズは? 
滑稽なのは消臭しようとしてリバー・フェニックスの出演作を代わりに流した事で。そもそも薬物への警鐘すらも考えていない事実が判明しちゃったんだけど。
そういや、高橋ヨシキさんに言われてハッとしたんですが、ヒット映画『ボヘミアンラプソディー』、劇中でもキメまくりですよね。みんな観てますよ、あれ。
回収しないの?


なぜ違法薬物への作品回収は国内アーティストに限るのか? そこにダブルスタンダードがある。
(ちなみに来日アーティストの入国に厳しいのはポールやマラドーナを見れば分かる。あ、マラドーナはアーティスト枠にしてた。)

その上で、日本はガラパゴス化していると嘆くのであれば、そんなの理由は明らかじゃないか?

日本社会が薬物使用の更生を期待しない社会であり、犯罪者は罰して消臭して見えなくする社会であるから。
会社は株価だとかブランドを気にして、ますます消臭する。
日本社会が更正を評価し、薬物依存は治療の必要な病気と考える社会ならば。
作品回収にはなんのメリットも無い。
だからエミネムのああいった作品やレッドホットチリペッパーズやブルーノ・マーズの次がある。
ホイットニーの晩年は見るのも辛かったが、レコード会社がリハビリ施設への通院などをサポートしていた。そりゃシングル売り上げ世界一のドル箱なのは分かりますが。
ソニーは売り上げを薬物依存から回復する患者達のための寄付に当てる、そうした施設のサポートに当てるなどの選択肢があら。
どれもブランドにとってはプラスになる。

そして、考えるんです。
レッチリのアンダーザブリッジはなんの歌なんでしょうか?




 「もし俺がまたハイになってるのを見たら殴り倒してくれよ」親友ヒレルをオーバードーズで無くした彼らの友情の歌。消臭文化からはこれは生まれない。→Red Hot Chili Peppers - Knock Me Down (Official Music Video) 、


岡村ちゃん、やっぱり天才じゃないですか。

なので、これは社会の問題。
で、今、電気グルーヴという熱いファン層がいるグループがその憂き目にあっているのに対してのアクションは。
社会を変化させる可能性を持っている。
というか、諦めても別に良いんだけど、僕は常に作品回収や封印には反対しているのも。


消臭してなんもなくなった社会より。
玉石混交、善悪ぶっ飛び、あらゆるカラーのものが存在する社会の方が楽しいからです。
で、そんな社会の中で、破綻しつつも法治国家を人間はなんとか運営してる事に面白さを感じる。
でも、こんなのはなんとかやってるだけで、その外側には様々なデタラメだらけの世界が広がっているのが僕の世界観なので。

消臭する事で、その社会の外部への嗅覚が衰えてしまうのは。
単純に危険だと思います!

で、硬直した日本社会の限界はいよいよ近いのでは?
と本気で思いますが。
自分の人生がつまらなくなるのも御免なので。
面白くなる方向を常に考える。

面白くするには例えばここ!

内田裕也さんが!
と様々な楽しい話が出て来ますが。
次の裕也さんが日本社会から生まれた方が楽しくないですか?
消臭したら、それは無いと思う。



作品回収は槇原敬之あたりから始まった、最近の風習で。
ここ20年の日本の劣化を示す良い例だと思います。

なんとなく80年代レーガン時代のアメリカを感じなくも無いんですが。
そういう時に元気になったのはパンク、ニューウェーブ、そしてヒップホップ。
そういう事でもあると思います!

そういや。
ベーソンズは本当に練習しないバンドになって来てて。
良くリハは入るんですが、こういう話をしたり。思いついたアイデアをやってみる。
でも既存曲の練習、ここ数ヶ月してない。
その場で出来る。
なかなかのインプロバンドの構えで。
訪れを待つ、その感じ。
ドラムとベースは受け皿にちょうど良い。
外側を感じているバンドなのです。

こちら、電気グルーヴに捧げるガリガリ君フリースタイル



そして、Prodigyのキースに捧げるウダウダ




長くなりました!

4月11日 秋葉原GOODMAN
片目と語れ


お待ちしております!

宇宙平和