海外で売れない薬剤の処分場と化しつつある日本だが、今度は、「エバシェルド筋注セット」が特例承認された。

 

 

この薬剤の中身は、「チキサゲビマブ」と「シルガビマブ」という2種類の抗体だが、有効性はコロナ株の種類に依存している。
端的に言えば、野生型から変異が進むにつれ有効性は低下し、オミクロンBA1/2に対する中和活性はごく低いことが報告されている。

 

BA1/2どころか、BA5の流行がピークアウトしたこのタイミングで、この薬剤が特例承認される意味を、よく考えた方がいいだろう。

*なお、先行して承認されている中和抗体薬である、ロナプリーブ(カシリビマブ・イムデビマブ)も、ゼビュディ(ソトロビマブ)も、オミクロンに対する中和活性はほとんどないと考えられる。今後の変異株に対してどうかは推して知るべきである。