領土問題。最近はずいぶんと活発な議論が起きている。
歴史上何十年も解消されていない一筋縄ではいかない問題だから、
こういった場で主観的な意見を書くのはどうかと思うものの、
あまりにも多くの意見があるので書いてみる。
まず、私には領土問題を解決させる方法がある。
それは「両国間領土とする(どちらの領土でも良い事にする)」
という解決方法である。
そもそも領土問題というものは、何故に起こるのか?
答えは簡単で、その領土が自分の国の領土となれば、
「領空が広がる」「領海が広がる」のである。
これによって200海里条約上、漁業を営める領域が広がり、
また多くの旅客機を空に飛ばす事が出来るようになる。
日本が竹島を「竹島」と言い、尖閣諸島を「尖閣諸島」と言い、
北方4島を「択捉島」「国後島」「色丹島」「歯舞諸島」と言うのは、
こうした領空と領海の問題が大きく関わる。
まずはその事を前提条件として、国が領土を主張していると
考えてみよう。その上で、日本がとってきた立場はどうだったか?
外交上で言えば、弱者の立場に立ってきたと言える。
「実効支配」なる言葉にあるように、多くの日本人が
「竹島は日本の領土だ」
「尖閣諸島は日本の領土だ」
「北方4島は日本の領土だ」と主張をする最近だが、
「実際に島に住んでいる人間の大半は日本人ではない」
という、重い事実がのしかかっている様に思える。
私は日本人が「日本の領土だ」と主張をするのであれば、
その場所に日本人が多く住み、生活し、日々を営んでいるという様な、
「日本国の領土だと客観的に分かるような事実」が無いと、
少なくとも外交上は厳しいのではないかと感じる。
しかし事実としては、その様な痕跡があるように思えない。
では韓国や中国やロシアが、上に書いた日本名とは違う名前で
島に名前を付け、自国の領土だと主張をしているとして、
彼らがそれを主張する理由はどこにあるのだろうか?
それは今の日本と何ら変わらない理由であるように思える。
要するに「自国の国益を損ないたくない。主張したい。」だけである。
そこで再度登場願うが、「どちらのものでもある」方式というのは
ダメなのだろうか?
歴史上の侵略がどうであるとか、過去交わされた条約がどうであるとか、
そういった事が領土問題を難しくしているが、何の事は無い。
結局のところ、自分の領空や領海として利用が出来、
その場所で生活を出来るような状況であれば、お互いが納得出来る
様にすることは簡単に出来るのではないか。
それであるのならば、その場所を経済特区化でもして、
どちらの国にとっても魅力的な中立地にしてしまうのが、
最も平和的で、最も両国にとって利益にもなり、
しかも最速で問題が解消する手立てとなり得はしないのか?
上の考えは現実的に可能な方法であるように思える。
2国間で協力をして、島周辺の漁獲量などを算出する。
空を飛んでいる飛行機の数を算出する。
その上で、その数を按分する。ちょうど2等分するか、
あるいはどちらともが十分な量の漁獲や空の便の数を確保する。
その上で1年など年数を決めて、乱獲状態になった場合には、
2国間の協議の上で、上限漁獲を決める。
空の便は管制塔でコントロールするが、あまりにも事故に近い
様な状況が多ければ、その数の制限等も2国間で決める。
こうして領空と領海の問題を2国で協力し合って解消する。
これで後の問題は「実際に住んでいる人の問題」のみとなる。
そこについては以下の様にすれば良い。
島民には、2国のパスポートなり、どちらの国でも良いような
経済上、税制上等の措置を取る。
つまりは島民にどちらの国の人間として住むかを決めさせる。
その結果があまりに一国の方に偏るような結果であるならば、
それはその時には、領土を主張していたもう一方の国からすれば、
きわめて情けない気持ちになるだろうけれど。
私は上の制度を取ると、島民は日本以外の方を選択する事が
多いと思う。「実効支配されている」からそうなるだろう。
日本人は、もし領土を主張するならば、本来的には、
その結果を見てから主張をしなくてはいけない様に思う。
まあそれは置いておいて、私は「今現在住んでいる島民」にとって、
最も住みやすい様にする事が、どちらの領土になる場合でも
必要な事ではないのかとも思うし、それを「重要視」すれば良い
のではないかと考えている。
それ故、どんな結果になるにしても、その様に島そのものは
二国間領土として経済特区化し、経済状況を良くするべきである。
それによってその国から産業が生まれ、市場が活発化したら、
その結果を踏まえた上で、2国間にそこでの利益を按分する。
こうして、島そのものの利益、そして島がある事によって得られる
領海や領空の利益、その全てをお互いが享受出来る様になる。
いつまでも「これは自分の国の領土である」という主張、
「自国だけを優先したい」という主張を繰り返し、
結果どちらの国のものでもない様な「不毛地帯化」をし、
何らお互いにとって利益をもたらさない。
そしてお互いの国同士の仲を悪くし、しまいには低いレベルの
意見のみを主張しあっては、都度都度相手の話は聞かない。
そういった事を続けているのであれば、
両方のものにしてしまう方がよっぽど現実的だし、
よっぽどお互いにとっての利益になると思うんだがねぇ。
だいたい原発の問題でもそうなんだけど、たいがいの日本人が
現実的に考えてない。本当に解決をさせようと思ってその意見を
主張しようとしているのか?について、疑問を持たざるを得ない。
いい加減現実的に考える事をして、現実的に解決が出来る方向性、
道筋を立てていかなければダメだし、それをやらない状態を続ける
から、国力そのものが大きく低下をしてしまう。
主張も良いし、意見も良い。それをする事は良い。
だけど、主張も意見も「浅い」のはダメだ。
「浅い」のが相手にわかれば、相手からはより低く見られるだけ。
「日本の外交力の低さ」は、「浅い」からそうなる。
ただしそれには「外的な要因もある」事は後述する。
実際の領土問題で起きている事を見ていくと、
韓国の現職総理大臣は、領土問題については活発派で、
独島に上陸をして、独島だとハングルで書かれた石碑を建てた。
要人は天皇批判をしたし、それを良くないとした政府文書そのものも
返送をするような事もした。
しかしながら、そうした韓国の政府の対応は、韓国内にも批判が
ものすごく多くある。国際的な立場を弱くするだけだという意見である。
日本人が痛烈に上の様な活発な活動に対して批判をし、
「ここは竹島だ」と主張をするのも、気持ちとしては分かるけれど、
上の様に領土問題の根本的な部分を理解していない人が、
何故それが起こっているのかさえもわかっていない様な人が、
一時的な感情に流されて、反韓国に走るのは、
自分としてはいかがなものかな、と思う部分がある。
意見が「浅い」場合、逆に大きな反論を招くだけである。
例えばこの間、一部の日本人が尖閣諸島に上陸をして、
日の丸を掲げるような行動を取って、中国で反日デモが起きたけれど、
ああいった軽率な行動を取っているようでは、
少なくとも韓国の行動を批判は出来ないのではないかと感じる。
あの行動が起こったのを知った時、少なくとも私には、
勝手に島に上陸をして石碑を建てた のと、
勝手に島に上陸をして自国の国旗を掲げる のと、
やっている行動のレベルが変わるようには思えなかったのである。
ましてや、韓国の方は、それでもやっている人間が「首相」である。
影響力がある、政府の中心人物がやっている。
それには、それなりに大きな意味があるという事だ。
かたや日本の方はどうなのか?
別に国の方針に直接関わるわけではない様な「市議レベル」の人間が
そういった行動を取ったし、それによって国同士の関係が
本当におかしくなったとした時、そういった人間では全く責任が取れない、
そういった人間がそういった行動を取ったに過ぎないのだ。
比べると、まだ韓国の方がやっているものの方が
「まともな」行動にさえ見えてしまう。
ああいう事は「要人がやらないと意味が無い」と思うから。
日本人は、何故、尖閣諸島に行った人間を情状酌量にするのか?
ああいった行動をやって自国に大甘な裁定を下しているような国が、
一方では韓国を公然と批判できるのは何故なのか???
やっている行動が同レベルなのに、片方を賞賛し、片方を批判する。
それならば「公平なジャッジ」はしていないという事になるだろう。
違和感を覚えざるを得ない。
私は韓国人ではないし、日本人ではあるが、今回の一連の報道や
行動を客観的に見た時に、上のような理由もあって、
日本人の行動だけが正しくて、他が常軌を逸しているのだという、
そういう風にはとても捉えられないんだよ。
例えば、独島に石碑を建てたのは首相である。
択捉島や国後島などに視察に行くのも、プーチンだしメドベージェフだ。
つまりは自分の国に対して、それ相応に責任を持っている要人が
自分の領土と主張をしている所にちゃんと行っているわけだ。
日本はどうなのか?
竹島に総理大臣なり、天皇なりが行ったのか?
最悪、外務大臣は飛んで行ったのか?
択捉島には、国後島には、尖閣諸島にはどうだったか?
行ってはいないし、行って「ここはうちの領土だから行ったのだ」という
主張も一切行ってはいない。
そうなっている原因には、日本の政治力、外交力が極めて弱いという、
内側に弱さがあるという部分と、アメリカとの関係性という、
外側に弱さがあるという部分とが、複雑に絡んでいる様に思える。
日本が「実効支配をされ続けた」理由は、
「自国の外交力が弱い」のが第一の理由だが、
第二には「アメリカの存在」がある様に思える。
最近のアメリカは、非常に親中だし、親韓である。
理由は自国の抱えている状況、経済成長率の違い等、
日本よりも魅力があると判断をする理由が多くあるから。
日本の政府は「日米安保条約」を後ろ盾にして、アメリカに守られ、
それによって一定の外交力を得ていた部分もある。
ところが最近はそれは通用しない。
それは今回の竹島・独島の呼称問題、一連の尖閣の問題、
さらに今まで何度も取り上げられた北方領土問題もそうだが、
アメリカは日本の領土である方向の理論について、
「一定の理解を示す」けれど、他方を「遺憾だ」とか「敵だ」
という様な姿勢では捉えていない事からも明らかである。
ロシアとは冷戦状態であった過去があるから、
ロシアの主張を全て無視するわけにはいかない。
つまりは一目を置かざるを得ない。
中国には自国債との問題で、頭が上がらない、
のっぴきならない事情があるし、世界の生産工場相手に
敵対する様な行動は当然取れない。
つまりは一目置かざるを得ない。
韓国とは日本以上に活発に貿易関係・友好関係を強めてきた。
それが大陸間でつながる中国や北朝鮮への牽制になるからで、
今や日本以上のパートナーとなった韓国相手に、
敵対したり関係悪化する様な行動は、アメリカ側の外交上
取れない。つまりは一目置かざるを得ない。
上の様な、米ロ関係、米中関係、米韓関係が存在する以上、
日米安保理に今まで守られてきた日本政府からすると、
強気の主張は、他の3国の様には出来ないのだろう。
日米安保理そのものが無くなったわけではないけれど、
日本とアメリカの関係が過去からより強固になったのかどうか、
という事を考えると、それは強固にはなっていないだろう。
その最たる理由は、1年毎に総理大臣が変わり、外務大臣が
変わってしまうから、約束が果たされなさそうだという、
日本国内の情勢をアメリカが客観的に捉えているからだ。
だからアメリカは、日本ではなく、中国や韓国と活発に外交した。
上の様な外的要因も領土問題には当然加わるわけだが、
「竹島を返せ」と主張をするプラカードを掲げる日本人はいるし、
そういう主張をしている割には、上の外的要因1つも把握していない
日本人もいる。
そもそも何十年も解決をしてこなかったこの領土問題が、
お互いに現実的な歩み寄りと協議をする事も無い中で、
解決をみるなんて事は100%あり得ないのだ。
それなのに、韓国も日本も、お互いがお互いで主張をし合うばかり。
最初に強権的に主張をしてきたのは韓国かもしれないが、
日本人はそれに「お付き合い」をしてしまっている。
その辺を考えると、日本政府はずいぶんとまともで、冷静で、
上の様な事をちゃんと考えながら、事にあたっている様に見える。
日本国民の方が、冷静さを欠いて、感情的になるシーンの方が
多くなっている様に思える。
いずれにしても、現実的に考えてもらって、
お互いが利益につながる方向性を模索して、
平和的に解決をするのが「日本流のやり方」の様に思う。
そうなる事を心から願う。