実は、騒いでいる程に僕は「ラブライブ!」信者ではありません。
好きだけども、ラブライバーではない。

なのに何故、大騒ぎするのかというと
「ラブライブ!」が打ち出したスクールアイドルという存在が
琴線に触れたのです。

僕は「もえいぬ」で増殖していくAKBに就いて

各都道府県にAKBがある。どこの中学、高校にも彼女達がいる。

そんな未来がくることを希望すると書きました。
(この時はまだチーム8はない)
その時、僕の頭の中にはこの、スクールアイドルが、あった。
アイドルが一生続けられるものでないことは
アイドルである(あろうとする)少女達自身が一番よく知っています。

しかし仕事としてアイドルになったからには
利潤を追求することを求められるし
アイドルを経た後も芸能界でどう生き残っていくかを
考えなければなりません。

ならば、アイドルは二極化するのが理想なのではないかと
思ったのです。
商業アイドルと、部活のような期間限定のアイドル。
プロ野球と高校野球のようなものです。


この部活のようなアイドルが「ラブライブ!」において
打ち出されたスクールアイドルでした。
「アイドルマスター」は二次元であるにせよ
商業アイドルとして頑張る少女達の物語でした。

その後、「ラブライブ!」がスクールアイドルという
ジャンルを開発した。

劇場版「ラブライブ!」には余り期待を寄せていませんでした。
しかし、自分の理想を具現化してくれた作品の完結編は
見届けておかねばならないだろうと映画館に足を運びました。

映画は途中までとても不安でした。
何故なら、本編ではμ’sはこの9名だからμ’s
3年生が抜けてしまえばそれは自分達のμ’sでないと
3年の卒業と共に活動をやめることを決定していたことが
様々な事情により覆されるような流れが示唆されていたからです。

穂乃果は活動をやめるか継続させるかで苦悩する。
流れとしては、やっぱり私はアイドルが好き、歌が好き
だからμ’sは終わってしまうけれど、私は歌い続けたい
と心の成長を遂げさせていくのが妥当です。

しかしそこを見事に「ラブライブ!」は裏切ってくれました。
「限られた時間の中で精一杯輝こうとするスクールアイドルが好き」
と、予定通りμ’sは3年生の卒業をもって活動をやめることを宣言するのです。

僕がずっと少年ではなく少女の生き方にこだわってきたのは
少女という存在が限定された、有限の時間しか持たないからです。

少年が大人になる予備軍として
少年という時間と大人になる時間に
連続性をもたせられるのに対し
少女は大人になる時、少女という時間から脱出しなければならない。
全ての少女は少女として時間を止めるか否かの選択を迫られる。
だからこそ少女世界は美しい。
限りある時間だからこその永遠性を持つ。

このことは「それいぬ」に書いてあります。

(遅蒔きながらμ’sが9名なのは野球は9名というメタファーであるのを知る)

劇場版「ラブライブ!」は
いきなし海外にいってしまうなど
劇場版「けいおん!」を彷彿させます。

「けいおん!」の本編は放課後ティータイムのメンバーが
高校を卒業した後も結局、離ればなれになりたくなくて
同じ大学に進むというとんでもない結末が
実にゆとり的だったが故に感動しました。

が、僕達は薄々、気が付いていました。
同じ大学に進学したはいいものの
環境が変わっていく中、
唯、澪、律、紬が夏の終わり頃には
疎遠になっていくであろうことを。

きっと、最初に仲間を離脱するのは唯なのです。
コンパなぞで浮かれ、大学で知り合った先輩と恋仲になり
恋愛にうつつをぬかして、澪達と余り逢わなくなっていくのです。
お調子者の唯ですから、そうなるに決まっているのです。

ですからやはり「けいおん!」も、少女世界が有限である
ことをサジェストしています。

僕は「ラブライブ!」でμ’sが卒業をもって活動をやめることは
「けいおん!」で何れ、放課後ティータイムも自然消滅する
ことを踏まえたものであると思います。


大袈裟かもしれませんが
「限られた時間の中で精一杯輝こうとするスクールアイドル」
というのは、僕達が“生”を何故、大切にしなければならないのか
の答えとも重なるのではないでしょうか。

“生”——命は、有限です。
“種”としての“生”は交配によって無限に継続していきます。
けれども僕達、一人一人の“生”は有限です。
個人は「限られた時間」しか持ちません。
従って僕達はその有限の中で「精一杯輝こうとする」しかないのです。
そうすることによってしか永遠を手にすることが出来ないのです。

「ラブライブ!」を拡大解釈し過ぎた!
と笑われるかもしれませんが
これが僕の劇場版「ラブライブ!」の感想です。

そして「ラブライブ!」よりも
やっぱり「けいおん!」と
自分の原点に回帰するのでした。

ちなみにカットフィルムは
横顔のえりちが当たりました。
えりち推しからにこちゃんに推し変したので
嬉しかったです。