小学校の3年か4年生のお正月のこと。

 新年2日に父の職場の方が我が家に集まるのが恒例だった。

 職場の女性が2人、台所を手伝うほどの宴会だった。

 わたしと姉は、出かけることもできず、邪魔にならないように、

 奥の茶の間で、1日中コタツにいた。

 2人で、カルタをしたり、すごろくなどをしたり。

 台所は一杯で、茶の間のコタツにまで、


 座敷から下げてきたお銚子が載せられていた。

 底の方に少しお酒が残っていたりして…。

 それをコップに移して飲むと、甘くて美味しかった。

 次々に来るお銚子を、わたしが空にしていった。


 夜になり、お客様が帰り、お手伝いの女性も帰った頃、

 わたしはまっすぐに歩けないほどになっていた。

  「畳の縁に沿って歩いてごらん!」

 母に言われて、歩いてみたが、明らかに、ヨタッテいた。

 まあ、翌日酔いが残ったりもせず、無事だったが。

 以来、お酒が強いと、家族も親戚も認め、自分でも認めるようになり、

 今に至っている。

 お酒を飲めなかったら、人生だいぶ違っていたかもしれないとも思う。

 どちらがよかったか、なんとも言えないけど、

 でも、お酒を飲めることは幸せ。ありがたい体質だと思っている。