

霜月の朝
秋がそこにと思ったら
もう足早に通り過ぎようとする
セカセカと四囲の山々が
衣替えを始めた
せめて紅葉のあで姿を
たんのうさせて欲しいと
青野渓谷を眺めまわす
静かに音なして降(くだ)る

峡の流れを
岩窪に正座して
眺めておわす石仏に
赤い前垂れが一枚加わった
叶えて欲しい願い事でも
あるのだろうかと
思いながら
流れに添って車を走らす
太いしっぽをぴんとあげて
リスが小走りに横切る
わたしの朝が
こんな道から始まってゆく
今日も無事で
ありますように
(佐知)
今日の一言メッセージ
苦しいことが 多いから 辛いんじゃない。夢が ないから 辛いんだ。