夜って、不思議です。
昼には何でもなかったことが、
急にズン、と胸にのしかかってくる。
「明日、大丈夫かな」
「メールの返事、遅かったな」
「このままの人生でいいのかな」
──そんな夜、
みんな小さな懐中電灯を探してる。
■ 八っつぁんと熊さんの夜話
八っつぁん:
「熊さん、不安って
いつ消えるんだろうな。」
熊さん:
「寝たら消える。」
八っつぁん:
「いや、寝られないから
困ってんだよ。」
熊さん:
「じゃあ、寝たふりしな。
ふりしてたら本当に寝る。
だいたいのことは
“ふり”から始まる。」
八っつぁん:
「……ふりか、深いな。」
熊さん:
「そう、“不安”って書くけどな、
“不安定でも安心したい”
って人間の正直な心よ。」
■ 不安は“悪者”じゃない
仏教的に言うと、
不安って“無明”の影。
でも、光があるから影ができる。
つまり、不安があるってことは、
「安心を求めている」というサイン。
夜に不安になるのは、
昼の間、がんばってた証拠です。
不安は、
「お前、
生きようとしてるじゃないか」
という命の声なんです。
■ 親鸞聖人ならこうおっしゃる
「闇の中にあって、
なお光を疑わず」
安心とは、
不安を消すことではなく、
不安の中に“光を感じる力”のこと。
南無阿弥陀仏という名号は、
不安を無理に追い払う呪文じゃない。
暗闇の中で、
「光、確かにあるな」
と思い出す言葉なんです。
■ 心の懐中電灯
スマホのライトをつけるように、
心にもスイッチがあります。
「どうせダメだ」
「また同じ繰り返しだ」
そんな時こそ、
指先でポンと押してみる。
なんまんだぶ。
光が差すのは、
世界が変わったからじゃない。
見つめる目が、
少しだけ温もりを取り戻すから。
■ 不安を抱えてるあなたへ
不安は、
“弱さ”ではなく、
“人である証拠”。
強がらなくていいです。
夜は誰もが迷子になります。
でも、仏さまは
「迷ったら呼んでおくれ」と
ちゃんと約束してくださってる。
「南無阿弥陀仏」は、
“道に迷った夜の、心のGPS”。
■ 今夜のひとこと
不安が消えない夜には、
光を見つけようとしなくていい。
ただ、
“灯りを信じて目を閉じる”
だけでいい。
そして、ひと声。
なんまんだぶ。
その一声が、
心の懐中電灯のスイッチです。