■「わたしって、

 なんでこうなんだろう」


誰でもありますよね。

・あの時、あんな言い方しなきゃよかった

・もっと優しくできたはずなのに

・何年たっても変われないなあ

夜、布団の中でふと思い出して

「うわぁぁ」と悶えるやつです。

ああいう時ほど、

スマホは触っちゃいけません。

余計な過去写真が出てきて、追いダメージです。

自分、令和になっても思春期か?


とツッコみたくなる瞬間。

■ 「許す」より先に来るもの

最近の自己啓発は言います。

自分を許そう

自分を愛そう

自分を認めよう


言ってることはわかるんです。

でも心のどこかがこう返す。

いや、許せへんのや。

だから困っとるんや。


この詰み感。

そういう日は、

無理に「許そう」なんてしなくていい。

許せない自分を、

そのまま机に座らせとく感じで充分です。

落語で言えば、

「怒りの八つぁんと泣きの熊さん」

両方、自分の中に座ってるんです。

追い出したら揉める。

隣同士で茶を飲ませると、意外と静か。

■ 仏さまは「結果」じゃなくて「詫び心」を見てる

親鸞聖人は言われました。

煩悩具足の凡夫なり

(煩悩まみれのまんまの私)


この言葉、すごいです。

「煩悩が残ってたらダメ」じゃなく、

煩悩があるまま抱くよ


という宣言だから。

真宗は“成果主義”じゃありません。

方向主義です。

・善くなりたいと思った

・ごめんなさいという心がおきた

・ああ不甲斐ないと頭が下がった

それで充分。

点数をつけるのは凡夫のやり方。

仏さまは、向いている方向を見てくださる。


■ 念仏は「できない日」ほど沁みる

うまくいく日より、

涙が先に出る日のほうが、

念仏は静かに胸に入るものです。

なんまんだぶ……


小さい声でじゅうぶん。

むしろ小さいほうが、心に聞こえる。

あやまりつつ、泣きつつ、

それでも離れず寄りそってくる声。

「わたしは、あなたの味方ですよ」

と、背中をあずけてくるような声。

■ 今日のひと息

許せない

そんな夜こそ

泣きながら

それでも起きる

明日ひとつぶ

■ やわらかい結び

自分を許せない日は、

許さなくていい。

ただ、そっと灯りのほうへ向く。

「南無阿弥陀仏」という灯り。

大きな手は、

もうとっくに伸びてきてますから。

今日も一声。


なんまんだぶ