■導入:仏さま、なぜそんな苦労を?
「なんで久遠からの仏さんが、わざわざ
修行僧・法蔵になったんや?」
理由はカンタン。
“このどうしようもない凡夫を、
どうしても救いたかったから”
…いやほんまに、それだけのために。
「そんなアホな」と思ったそこのあなた。
ここからが
“仏の親バカ物語”でございます。
■一日八億四千の妄想クラブ
法然上人いわく、
人間は一日に八億四千の念を起こす
八億四千!!スマホの通知よりうるさい。
しかも
全部ろくでもない方向
心の中、地獄のニュース速報まつり。
これじゃ悩むの当然や。
そして我々は毎日、
自分で地雷を撒く → 踏む → 転ぶ
また地雷撒く → 踏む
「現行薫種子・薫種子現行」つまり、
心の“自爆製造ループ”
■錠光如来の“ギブアップ宣言”
そこで久遠の仏さん、
「悪人助ける方法ない?」と聞きに行く。
最初の仏・錠光如来に相談。
錠光如来
「私もやったよ。『善せぇ悪やめぇ』って言い続けたよ。」
「でもヤツらやらんのや」
「縁なき衆生、放置」
バッサリ。
法蔵「……」
ここで諦める?普通はね。でも仏は違う。
■五十六億七千万年の待ちぼうけ
錠光如来に断られたあと…
次の仏が現れるまで
五十六億七千万年 待つ
恋愛やったらストーカーや。
宅急便やったらとっくに配達停止。
ようやく次の仏が現れても——
「悪人は無理です」
門前払い。これを53回。
■法蔵の“親力”モード
けど法蔵は折れん。
三業の所修、一念・一刹那も
清浄ならざることなし
「嫌や」「もう無理や」ゼロ。
愚痴ゼロ。怒りゼロ。執着ゼロ。しかも
ずっと和顔愛語。(ニコニコ優しい)
そして53回落ちても、
「次こそは!」
この執念。もはや愛情が業火。
“親の心、子知らず”とはこのこと。
■ついに運命の出会い
五十四仏目、ようやく
世自在王仏
に出会う。
『正信偈』にも書いてあります。
法蔵菩薩の因位の時
世自在王仏の所にましまして
この瞬間、**“悪人成仏の道”**が開く。
■なにがそんなに尊いのか
「悪人助けたい」
それに理由なんかいらん。
親が子に「幸せになってほしい」
と言うように。
法蔵は言うたんです。
“放っとけるわけないやろ”
53回拒否されても、億年待っても
心折れず、笑顔で「次こそは」
これが本願の本気。
■われら反抗期の子
ところが我々は…
「ほんまに助かるん?」「あやしいな〜」
これが最悪の罪=疑い
親が「お前を愛してる」と言ってるのに
「嘘やろ」と返す子。
でも、気づいた時に涙が出る。
“五十六億年待ってくれた
親がいたんや”
日曜の朝、埃がキラキラして見えたら
思い出しましょ。
■今日の一句
埃舞う
光の中に
待つ御方
今日も一声、南無阿弥陀仏🪷
続きも、またご一緒に。