本作の主人公ゴブリンのワタルになります

この絵を参考にしてイメージして頂けると嬉しかったりします
(イラストを書いてる方に、

このゴブリン小説のためだけに書いて頂きました)

https://d.kuku.lu/a28c3e18e

 

 

人間であるライルとユキナは壮絶なる逃亡の末に、
卑劣なる暗殺者たちの罠によって捕らわれてしまう。
絶望の声を上げるしかなかった彼らだが、
その時突如としてとある一団が現れる。
それは何と本作の主人公であるゴブリンであるワタルたちだった
彼らは我々に何を見せてくれるのだろうか?目を離せない展開が心を躍らせる



人間であるライルとユキナは謎の暗殺者たちや兵たちに追われていた
全ては今抱えてぐったりしているフェニックスという少年を助けるためだ。
国境を越えているにも関わらず関所を開き、必要なまでにライルとユキナ…
いやフェニックスを追って迫り来る謎の者たち

ライルとユキナは果てしない逃亡の末に力尽き倒れてしまう
そんなとある村の者に助けられる
しかし、不運なことにもその村は、
ライルとユキナを追っている暗殺者たちに気づかれ、村は焼かれていた

そして、なんと暗殺者たちのリ-ダ-ランバットは指示を出し部下たちに、
焼かれ激しく炎が燃え盛る家々に村人たちを投げ込んでいた
ランバットはこの村に匿われ潜むライルとユキナの存在に気づいていた

全てはライルとユキナをおびき寄せるためだ

次々と奴らに笑われながら、燃え盛る家々に投げ込まれる村民たち…
燃え盛る家の中から悲鳴が聞こえてくる
なんと惨いことだろうか

出ては行けないことは分かっていた
村人たちが自分たちを守るために奴らの犠牲になっていることは知っていた
出ていけば彼らの努力が無駄になることは分かっていた
だがこんな非道な真似を断じて許すことができなかった

気づけば身体が動いていた



「俺はここだクソったれがぁぁあああ----!!!!!」

「わ゛たしはここよぉぉぉおおお----!!!!」


ライルとユキナは外へと出るが、
屋根の上から突如として現れた巨人によって、
後ろから奇襲され気を失ってしまう
そう…
奴らは事前に知っていたのだ
ライルとユキナがその家に潜むことに…!


ライルとユキナが目を覚ますと、
両手を後ろで縛られ身動きできない状態でいる

しかし、ここでまたとんでもないことが起きた

何やら村の外から声が聞こえてきた
その内容にライルとユキナは仰天する

「星詠みのリタと老騎士を殺せぇぇぇえええ---!!!!」

物凄い衝撃音と共に二つの影が村の中へと雪崩れ込んできた

そしてその二人の名を知った時…
ライルとユキナは絶句する

何故ならばその中の1人こそが、
ライルとユキナが逃亡の末に探し求めた人物なのだから…!

しかし、その二人は捕らわれてしまう

そしてランバットからライルとユキナに衝撃的な事実を告げられる

それはライルとユキナを逃がすために、
本来は自分たちを捕らえる仕事を請け負っていたにも関わらずに、
それを捨て、自分たちを逃がし少しでも時間を稼ぐために、
勇敢にも暗殺者たちに立ち向かったみんなが殺されたというものだった


ライルとユキナは絶叫する


そして村の回りにはもう300人ほどの暗殺者たちが兵がいる
それに加え現在もなお燃え盛る家の中から悲鳴が聞こえる


どう足掻いても逃げ道はなかった
勝ち目はなかった

ライルは嗚咽を漏らしながら天へと向かって助けを嘆いた


そんな時にとある一団が現れた
そう…最初に言った者たちだ


ランバットは何か嫌な悪寒をその一団に向かって叫んだ


「おい…!!!」


「貴様は何者だ!!??」



「俺の名はワタル……」



「ゴブリンだ……!!!!!」





物語はここから始まる




ゴブリンという名を聞いた瞬間静寂がなる
シ--ンと静まり返ったかと思えば次の瞬間にはワ---!っと笑い声が村一帯から聞こえてきた

「ぎゃはははは!!!」

「おいおい聞いたかよ!?」

「ぷっゴブリンだってよ?www」

「ゴブリン風情が何言ってんだよ!?WWWW」


「で、援軍は何人だ…?」

「見た所数人しかいないんだがwwwwww」


「用心するべきはクリフトか…」

「それはそうだがクリフトたった1人でこれだけの人数相手に何ができるって言うんだ」
また笑いがおこる
たかが人間1人とゴブリン数匹で何ができる
完全に勝てるという自負があるのだろう

「しかし何で人間であるはずのクリフトがゴブリンなんかと一緒につるんでるんだ…」

「でもたかがゴブリン数匹とクリフトたった1人…」



そんなバカにされた様子をワタルたちは見つめながら何か話し合っていた
もちろん、そんな言葉など気にしていない

ツバサは言った
「あの捕らえられている二人って…」

ミネアは答えた
「ええ」
「私たちの前に突如として現れフェニックスを拐い消えて行ったあの二人に間違いないわね」


「何で捕らわれているんだろう」
「でも何かあの二人とても悪者に見えない」
「それよりも何か必死にフェニックスを守ろうとしているような…」
マ-ニャはまっすぐな顔で言った


「クリフト…」
「お前が追っていたのはあの二人で間違いねえか?」
バージェットはクリフトに聞いた

「ええ」
「あの二人で間違いありません」
「何よりあの二人を追っていて私はあの場所であなた方に出会ったのですから…」
「追っていて何ですが今思えば彼らに何か悪意があったようには…」


「だがフェニックスを拐ったのは事実だよな」
バージェットはクリフトの言葉を遮るように言った

ほんの少し重い沈黙が流れる

「どうする…」
「大将?」
バージェットはワタルに聞いた

「ワタル…」
ツバサやみんなもまたワタルを見つめる


「確かに彼らはフェニックスを拐った」


「ですがっ…!」
クリフトはワタルに食ってかかろうとしたが、
ツバサはなだめた
その瞳は何かを確信しているようだった


「でも、俺はあの二人を放っておけない」


!?


「例えあの大軍勢を敵にして相手にしてもあの二人を助ける!」


みんなはやれやれといった諦めの表情を見せると同時に、
何か少し嬉しそうでもあった


「もう…本当にあなたってやっかいごとが好きね」
ミネアは笑った


「ふふふ」
「でも、そんなワタル大好きです」
マ-ニャもまた笑った

しかしバージェットは突如険しい表情になって村の方向を見つめる
「つええな」


「うん」
「強いね…」
「ここからでもあそこにいる人達一人一人が強者というのが分かる」


ゴゴゴ…


クリフトもまた冷や汗をかく
そして村一帯から発する得体の知れない何かに違和感を感じ恐怖していた
「一体奴らは何者なんだ…」

「暗殺者たちと兵たちが共闘している…?」
「あり得ない」

「バロン国の兵でもない」

「それになぜ二人が捕まって…」


そんな折り


「うぉぉおおお-----!!!!」

「殺せぇぇえええ-----!!!!」
村から物凄い殺気が聞こえてくる
そう奴らが動き出したのだ
ワタリたち目掛けて大軍が動き出す

否応なしに村からの圧力がワタルたちを襲う
普通の者なら逃げてしまうだろう

だがワタリたちは逃げなかった

シャキン…!
シャキン…!
シャキン…!


ワタリたちは迫りくる敵に向けて剣を抜いた


 

ここよりこの曲を聞きながらお楽しみください

 

 

 

 







ワタリは叫んだ

「みんな…!」

「力を貸してくれ!」


「行くぞ…!!!」


ワタルたちを村めがけて駆けて行く!


「うん…!」
ツバサは答える

「了解…!」
バージェットは答えた


「分かったわ…!」
「うん…!」
ミネアとマ-ニャもまた答えた


そんな中まだ1人クリフトだけその場にたち止まり神妙な顔をしている


ツバサは前を見ながら背中で語りかける
「クリフトさん…」
「不安?」

「でも大丈夫だよ」
また優しくそう言った

ミネアもまたクリフトに語りかける
「約2名何も考えずに突っ込んでる馬鹿がいるけど…」


「うぉぉおおお---!!!」
「ひゃっは---!!!」
ワタルとバージェットだった


「でも大丈夫」
ミネアもまた優しい笑みを浮かべる


「敵は強大だけど、私たちは負ける気など微塵もないわよ?」

そして改めて断言する
「ここにいるみんなは誰かを守り戦うためならば何倍も何十倍も強くなる…!」


「うん…!」
「私たちたちはそのみんなの守り戦う力でピンチを奇跡に変え戦い抜いてきた!」
「あの魔界での戦いも!」


「ちょっとマ-ニャ!?」

「あっごめんなさいお姉ちゃんちょっと興奮しちゃって…」



「クリフトさん信じて…」
ツバサは言った


「絶対に…」


「絶対に僕たちは負けないから!!!」



ツバサたちはそれ以上何も言わずに、
ワタルとバージェットを追いかけるように下へと駆けて行った


クリフトは目を丸くさせる
まさかそんなことを言われると思っていなかったからだろうか…?

だがクリフトもまたフッと笑みを浮かべ前を向いた
「魔界…?」

「ふっ」
「ここは人界ですよ」

「またあなたたちのことだ」
「何かとてつもない出来事に巻き込まれたんでしょうね」


「初めてあの場所であなた方と出会った時の謎が少しだけ解けた気がします」

「それよりも私が立ち止まってしまったのは思わず感極まってしまったからです」

「なんて素晴らしい仲間たちなんだろう」
「不思議です…」
「あなた方と一緒にならこの戦い負ける気がしません」


「私も一緒に連れて行ってください…!」
「あなた達と一緒ならこの先の無限にある冒険の果てに、
何があるか見つけれそうな気がします!」

「それにそれがあの方の夢!」



そんな時自分の名前を呼ぶ気がした

「クリフト…!」
ワタルだった
ワタルが自分を呼んでいた

「お願いできるか?」
クリフトはワタルが自分に何をいいたいのか瞬時に察する


「私にお任せあれ」
クリフトは手を胸にやりながら頭を下げた


そして深呼吸すると手にはいつのまにか弓があり、とても大きく構える
背をピンと限界まで下へと反らし空へ大きく弓を放つ準備をしていた

そしてその弓を放つ

「ヒ-ルパウダ-シャワ-!!!」

なんとその放った弓は村の真上へ行ったかとそれはパウダー状となり村へと降り注いだ

えっ?えっ?
村人は混乱する
何と傷が少し癒えていたからだ


クリフトはワタルが何を言いたいのか察した
まずは村人を助けてくれと言っていたのだ

そしてまた大きく構えた
今度は空から村へと標準をうつす

ある一点を見つめ弓を放つ!


「この技は必殺必中…」

「逃れるものはなし」


「聖なる矢弾!!!」



その弓はワタルたちと戦ったより力強く巨大で速く村へと到達しようとしていた

その標的はもちろんランバットだ

「い゛っ!?」
ランバットは驚愕の声をあげるが、
貫かれるより一瞬早くその弓に気づき、
手を交互に構え防御体勢をとった

ズドォォオオ---ン!

ランバットは後ろへと吹き飛ばされる
物凄い衝撃音と共に家が吹き飛ばされる


「ランバット様!?」
一団に衝撃が走る
クリフトは理解していた
己の役割に。
それはまずは敵の士気を削ぐこと
そして少しでも気をそらし村人への攻撃を減らすこと
ワタルたちに集中攻撃させないこと
敵は強大
何もこの攻撃で倒せるとは思っていない


「百矢弾…!」
クリフトの無限なる攻撃がランバット軍を襲う

「ぐぎゃ!?」

ランバットは口から血を流しながらも立ち上がりと叫んだ

「大丈夫だ!」
「今すぐやつらを迎撃しろ!」


そんな中ミネアとマ-ニャが動く…!

「黒の覇計!」
「白の覇計!

ミネアとマ-ニャの魔法攻撃が最前線にいるワタルとバージェットの前にいるランバット軍に命中する


バージェットは大軍の中に突っ込んで行く
「気装…!」
バージェットの纏う空気が変わり斧技が炸裂する

「どけぇぇえええ---!!!」

「連撃…斧桜!!!」


「ぐぁおあ゛!!??」
ランバット軍はあまりの衝撃に吹き飛ばされる


さらにワタルは炎をまとった巨大な剣で突っ込む
「火の雷鳴!」


また吹き飛ばされるがさすがはランバット軍
すぐさま体勢を立て直すとワタルたちに襲わんとしていた

しかしそんな時…
ツバサが突破口を作る

「風の流動!」
ツバサの風を纏った剣技
それは全てを切り裂き無限の攻撃を繰り出す


だがまだ第2波第3派とツバサをランバット軍が襲わんとしていた


「させないよ!」
「うん!」
ミネアとマ-ニャが見事なコンビネ-ションで敵を倒していく

「黒の灯火!」
「白の灯火!」


「黒白(こくびゃく)の…」


「灯火!!!」



「スカイアロ-!!!」
クリフトは攻撃を繰り出す


「な、なにをやっている貴様らたった数人に!!!」
ランバットの檄が飛ぶ


ランバットたちの気は完全に外に向いていた

「くっ…!?」
「貴様は一体何者だ!!!」

「だが貴様らがいくらここに来ようともあの少年ささえ手に入れば!」
ランバットはフェニックスを捕らえようとする

「フェニックス!?」
「フェニックスぅ゛!!!」
捕らえれているライルとユキナは絶望の声を上げる
ライルとユキナはフェニックスはこのフェニックスを助けるために、
この長き逃亡をしてきたのだ
奪われるわけにはいかなかった


そしてランバットがそんな声など全く気にするはずもなく、
フェニックスを捕らえようとした時だった

「んっ?」
何か違和感を感じた


「うぉぉおおお----!!!!」
その正体に気づいた時には遅かった
自分が吹き飛ばされれていた

ライルとユキナは涙声で叫ぶ
「タクヤさん!?」

そうライルとユキナを助けた医者だった

「はぁ…はぁ…」
「君たちが無事で良かったよ」


「そんなことよりも腕が!!!」
そうタクヤの腕はなかった
タクヤの腕は奴らに切り落とされたのだ

「なぁにこれくらいただのかすり傷さ」
「命がなくなるわけじゃない」

「でも゛…!!!」


「何とか一瞬だけ奴の隙をつくことができた」
「何者か分からないが彼らが現れてくれたお陰でね…」
「そして奴が吹き飛ばされた時の破片が偶然にも繩を切りつけ、
捕らわれている状況から抜け出すことができた」

「本当に彼らのお陰だね」
ちらりとワタルたちの方向を見つめる

「くそどもがぁぁぁあああ---!!!!」
また反対からバーンと瓦礫を振り払う音と共に怒声が聞こえてくる

ランバットだ
ランバットがこちらを殺意の目で見つめていた

そんな中タクヤはもっていた板のような木を地面に置くと、
ライルとユキナを懐にしまって持っていた小刀で繩を切り落とした


「カスどもが舐めた真似してくれやがって…」
「ぶっ殺してやる」


「タクヤさん…」
ライルとユキナは心配する

タクヤは凄い汗をかいていたが大丈夫だと答えた
「なぁに私も若い頃だったが兵士だったこともあってね…」
そう言うとまた板のような物を手にとった
ライルとユキナ、タクヤはランバットと対峙する

そんな時だった
また声が聞こえてくる
「私を忘れて貰っては困るぞ…」

「カ-サ…」
カ-サもまた捕縛から逃れ目の前に立っていた
隣にはもちろん母詠みのリタがいる


「くっ…!?」
少しランバットはたじろぐ


そんな折りまた声が聞こえてきた
「この老騎士は俺が相手をしよう…」

「さんざん逃げてくれたな…」
「だがこれで最後だ」
この者はただならぬ実力を擁しているのは想像できた
それもそのはず…
リタとカ-サを追ってきた軍団の中のリ-ダ-だ

ランバットはその者を呼んだ
「キレン…」

お互い顔見知りのようだが、
キレンはどう見ても暗殺者には見えない
一体彼らは何者なのか

だがそんな中またここで思わぬことが起こる
「くっ!?」
「またこんな時にぃ゛|」

「カ-サ大丈夫!?」
リタは心配する
カ-サは胸を苦しそうに手を当て地面に崩れてしまう

しかし立ち上がった
「だ、大丈夫です」
「ぜえ…ぜえ…」
「あなた様をお守りするのが我が使命!」

「それに…」
何やらリタとカ-サは目を合わせる
リタはコクリと頷く
何やら泣きそうな表情を浮かべていた


「何をごちゃごちゃと…」
「死ねぇぇえええ---!!!」
キレンはカ-サに襲い掛かって行く!

「ぬぉぉおおお----!!!!」
カ-サもまた苦しい表情を浮かべながら立ち向かって行く!


ライルとユキナもまた身体は癒えていない
だが二人は立ち向かわねばならなかった
タクヤも加え3人はランバット相手に立ち向かって行く!

「くっくっくっ」
「勝った気でいやがるのか…」
「ザインの地では敵わなかったくせにっ!!!」

「調子に乗るなよ」

血管を浮かべながらランバットは叫んだ
「皆殺しにしてくれるわぁぁ---!!!!」

両者は激しく激突する
初めはお互い五分に見えた

しかし…

しかし…!


立っているのはランバットとキレンだった
ライルとユキナ、タクヤ、カ-サは血を流しながら地面に崩れ落ちていた
ランバットやキレンに加え他の暗殺者たちや兵士相手に戦うのはいくらなんでも分が悪すぎた

ランバットとキレン以外にも、
数人その実力に匹敵するのではないかと想像するほどの強者がいた
層が厚すぎる

ライルとユキナを背後から襲ったあの巨人二人もいる



「はぁ…はぁ…」
「手こずらせやがって」


そんな敗者をランバットとキレンは見下ろす

「これで終わりだ」
そうキレンがカ-サに止めをさせようとした時に何とリタは手を広げその前に立ちはだかった

「ふっ」
「何だお前は?」
「今まで隠れていた奴に何ができる」
「そんな震えた身体で一体何が…」

「いけません…!」
「お逃げくださいリタ様!」
カ-サは懇願するよな声で必死に叫んだ


「逃げない!」
「私が守る!」
「カ-サを…!」
「みんなを……!!!」
「もう誰も死なせない!!!」
リタは懸命に守ろうとする
震えた身体がまた力弱く見えた


「くく」
「お望みなら貴様から殺してやろう」
「それが本来の我々の任務なのだからな…」


キレンの剣がリタの胸を貫かんとする

「くそ゛…!」
「動けっ!」
「動け!動け私の身体よ……!!!」
カ-サは必死に叫ぶ

ライルとユキナたちもまた必死に叫ぶ
フェニックスに意識はない
だが何やら目から涙のようなものを流しているようであった


「ははっ」

「死ねぇぇえええ-----!!!!」
誰しもが駄目だと思った
絶望を感じた



そんな時だった





「剛龍風圧剣…!!!」




何か声が聞こえたかと思うと物凄い衝撃波がキレンを襲う!

「なにっ!?」
キレンは咄嗟に剣で何とかその攻撃を受け止めた

「はぁ…はぁ」
あまりの衝撃にキレンは冷や汗をかく


ランバットは嫌な予感がす
そして声を漏らした

「まさ…か!?」





ある影が次々と現れる

「ふぅ」
「何とか間に合ったね」


「危なかったぜ」


「危ないの私たちよ勝手に先走らないでくれる?」


「何知らないふりをしてるのよあんたもよ!」


「ちょっとお姉ちゃん!」


「まぁまぁお二人とも…!」


ライルとユキナはその影たちを見て声を失った
気づけば二人の目からいつのまにか地面にポタポタと涙が落ちていた


もうお分かりだろう

ワタルたちだった

ワタルたちがこの村にたどり着いたのだ!

最強の援軍であることに間違いない


ランバットは驚愕の声をあげる
迂闊だった
大丈夫だろうという油断があった
外に全く注意を払っていなかったのだ
だが信じらない


「まさかあの人数相手を抜いてきたというのか!?」

「ああ…」
「そうだ」
ワタルは答える


「1人1人がただの者たちではない!」
「あの方より預かりし精鋭の者たちだぞ!!!」
ランバットは声を荒げる



「だがそれを抜けてきたのは事実だ」
ワタルは答えた

だがランバットはあることに気づき落ち着きを取り戻す
「ふ、ふん!」
「貴様らがなかなかの強者であることは認めよう」


「だがこの取り囲まれた状況で貴様らはどうする!」
「くくく」
「さしも全員倒すことはできなかったようだな!」
気づけば倒せなかった者たちによりワタルたちは完全に包囲されている

「くくく」
「これで貴様らなんぞ…」

ワタルは言った
「全員まとめて倒していくまでだ」

「なにっ?」
ランバットは呆気にとられる
ワタルが何を言っているのか理解不納だった



「こんな外道な真似をする奴らを俺は絶対に許さない」
ワタルは怒りに満ちていた


「くっ…!?」
ランバットはワタルのあまりの迫力に押される
そしてワタル以外にいる者たちもただ者ではない気配が伝わってくる

「おい」
「お前ら迎撃体制を取れえ!!!」
キレンや他の強者、巨人含め初めて全員が構えをとった
ワタルたちがそれだけの強者であると認めたのだ

ワタルたちもまた戦闘体勢をとる
ワタルは構えた
「大地の力!」
なにやら凄まじいエネルギ-がワタルに集まっているのが分かる

ツバサは優しく語りかけた
「風さん…」
「力を貸して」
するとツバサの周りに風が集まってくる

「気装…!」
バージェットの身体からエネルギ-が溢れているのが分かる

「魔女の呼吸…」
ミネアとマ-ニャに魔力が満ち溢れていた

「覚悟してください…!」
クリフトは構えた


お互い静まりかえる緊張の中…


ワタルが号令を出す


「みんな!」

「いくぞ……!!!」


「了解!!!!」
全員が返事をした


「お前らやっちまええ-----!!!!」
ランバットは指示を出す



お互い激しい死闘が行われる…




はずだった




しかし、お互いぶつかりあう寸前に1人の影がにょろりと前に現れた


その影は言った
「何か不穏な気配があるという報告を受けて来てみれば、
まさかこんな事態なっているとはね…」


ランバットは今まで一番の驚愕の声をあげた
「あなた様は!!??」


キレンもまた驚愕の声をあげた
「なぜこのような場所に!!??」



そんな時だった



このあと誰しもが予想できない怒濤の展開を迎える!



「捕゛まれええぇぇぇええ-----!!!!!!!!!」

何事かと振り向くとカ-サが今まで見たことないような形相で叫んでいた!


「えっ…?」
気づくとどうやってかは分からないが、
ワタルたちとライルとユキナはカ-サに引き寄せらている

「えっ?」
「えっ…?」
再び何が起こっているの分からない

そしてカ-サはまた必死な形相で叫ぶ

あまりの緊迫具合に全員何事かと固まる

そして反論する時間すらも与えなかった
「いいから早くしてくれっ!!!」
「逃げるぞ…!!!」


「逃げっ?」
また頭が?状態になる

あまりの突然の出来事に真っ白になるが、全員手を繋いだ

カ-サはいつのまにか手に指をハメていた

そして叫んだ
「転送…!!!」

するとその村からあっという間ワタルたちの姿は消えた


その影は最後にワタルたちがいた場所を見つめる
そして顎に手をやり何か考えているようだった

「逃げられてしまいましたか…」
「まぁいい」

「私が用があるのはこちらですから…」

「さて…」
「説明していただけますよね?」

「いや…その…」
「あの…」
あのランバットがこの影相手に萎縮しまくっている
一体この影は何者だろうか












場面は変わり…


ワタルたちへと…


「おいっ!」
「じいさん…!」
「説明をして貰おうか!」
バージェットはカ-サ相手に食ってかかっている


それもそのはず…
全員がカ-サ相手に説明を求めている

そんな中カ-サは口を開いた

「お前たちが十二分に強いくらいなど承知しておる」
「それじゃあ何で!?」
バージェットは再び食ってかかる

「だが相手が悪すぎる…」

「えっ…?」

「そしてランバットのあの者に対する態度…」
「今までの謎だったものがあれで解けた」
「そして裏に潜む者たちの正体を…」

「まさかそれって……!?」
ライルとユキナが食い入るようにカ-サに質問する
カ-サはライルとユキナの意図に気づいたようで答えた

「ああ…」
「お前たちを追っていた黒幕じゃよ」

ライルとユキナは目を合わせる


そしてカ-サの口から衝撃の言葉が放たれる
「遠目からした見たことないが間違いない」


「この人界を影から牛耳るとある一家の最高幹部」


「あの者は」


「五黄聖が1人…」


「そして、あの者の名はレオンハルト・プレヴィス」




「黄色家じゃ」




ライルとユキナはサアーっと背筋が凍るとと同時に、

今までのさまざまな不可解な出来事の謎が解けていくのを感じた






またその後、リタはワタルを両手でワタルの顔をそっと優しく包んだ

リタの目には涙が溢れている


「あなたがワタルなのですね゛?」



「ずっとずっと…」

「あ゛なた゛をお待ちしていました゛」



涙を流し、リタはワタルに抱きついた






ついに裏に潜む黒幕が暴かれた
その名は黄色家
この人界を影から牛耳る多色家の中で最強の4家のうちの1家だ

ワタルたちは最強の黄色家相手に一体何ができるのか?

その後の彼らの目指す道は?


ますます目が離せない展開が彼らを待ち受けている










~あとがき~

大分遅くなってしまって申し訳ありません><;

あとお陰様で体調はよくなりました

ご心配をおかけしましたm(__)m

 



最後の展開に皆さんびっくりされたのではないでしょうか?

話は戻りますが実は大分悩んでいました
今この段階で黒幕が黄色家であることをバラすか否かw


物語の後半や最後でバラした方が盛り上がるかなと思ったり


でも、黒幕が定まることでみんな一致団結して立ち向かっていくのもいいかなと思ってこっちにしました
( ´艸`)ププ


あと日替わり曲ですが、本当は別曲やる予定だったのですが…
この曲を昨日知ってビビッ!と来て、
この曲ワタルたちが疾走して行く感じにぴったりじゃんと思い変更しました(´∀`)
内容もコロナに影響されながらも、
必死に頑張る部活生の姿が伝わってきてぐっときます
青春だなぁと思います(´・ω・`)



今コロナや大雨で大変な時期だと思いますが、
こんな小説でも読んで少しでも元気が沸いてくるなら幸いです。


コロナがいつ終息するのか分かりませんが、
皆さん何とか頑張って乗り越えていきましょう


比較になり得ないですが、ワタルたちもこれから様々な苦難を乗り越えて行く予定です



みんなで頑張りましょう!!!

 

 

 

 

 

https://twitter.com/1Iy86xUS7D9pTRw

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