これまで、多くのテクニカル指標分析手法をご紹介してきました。
あまりに多すぎて混乱を招いたかもしれませんが、ひとまず理解をして頂いた上で、自身として使いやすいものあるいは実際に勝率が上がるものを選択していって頂ければ良いかなと思っています。
これからも、もう少しテクニカル手法の紹介を続けていきます。
値動きとテクニカル指標が逆行するダイバージェンスについて
ダイバージェンスとは、RSI、ストキャスティクス、MACDといったオシレータ系テクニカル指標において見られるものです。
日本語では「逆行現象」などと訳されます。
具体的な例を紹介しますと、実際の値動きとなるローソク足が高値を更新しているのに、オシレータ系のテクニカル指標では高値を更新していない、もしくはローソク足が安値を更新しているのに、オシレータ系テクニカル指標が安値を更新していないことを言います。
要は、ローソク足とオシレータ系テクニカル指標が逆の動きを見せることを指して、ダイバージェンスと呼びます。
なお、オシレータ系指標については、どのテクニカル指標を使うかはそれほど問題ではありません。
MACD、RSI、CCI、ストキャスティクスなど、普段使用されているテクニカルを使えば良いです。
ダイバージェンスの基本
チャートのなかでは「高値を切り上げる」や「安値を切り下げる」という動きがあります。
多少の上下はあっても、右肩上がりに価格が上昇している状態、または右肩下がりに価格が下落している状態のことです。
大抵の場合、価格の上げ下げとストキャスティクスやRSIなどのオシレータ系指標の上げ下げは同じように動きます。
価格が高値を切り上げたなら、ストキャスティクスなどのオシレータ系指標も高値を切り上げるのが普通です。
価格が安値を切り下げたなら、ストキャスティクスも安値を切り下げるのが普通の流れです。
もしそうならない場合は、それは価格とストキャスティクスが同意していない、つまり意見が分かれているということです。
その現象をダイバージェンスと呼んでいます。
ダイバージェンスは、ポジションクローズの目安
ダイバージェンスが発生すると、相場の天井や底を形成した可能性があるため、利食いの目安となります。
ダイバージェンスをエントリーに使ってはいけない
ダイバージェンスが発生したからといって、スグに逆張りでポジションを持つのは危険です。
ダイバージェンスが発生しても、必ず天井や底を形成し相場が転換するとは限らないからです。
テクニカル指標にはだましが付き物ですが、ダイバージェンスについても同様のことが言えます。
「ダイバージェンスの発生=相場転換」ではなく、「ダイバージェンスの発生=相場転換の可能性」です。
とは言え、相場が転換する可能性を示すものがダイバージェンスであるのならば、エントリーのタイミングもあるのは事実です。
では、ダイバージェンスを使って相場の反転を捉えるエントリー方法を解説します。
1.空売りならレジスタンスラインで、買いならサポートラインで狙う
2.ダイバージェンス自体はエントリーシグナルではない
3.ローソク足のパターンなどのエントリーシグナルを待ってエントリーする
ダイバージェンスはどこでもいいから狙うというのではなく、空売りならレジスタンスラインで、買いならサポートラインで狙うことが大切です。
更に、ダイバージェンス単独ではなく、他のシグナルを確認して上でエントリーをおこなえば、相場の転換をとらえたトレードが可能です。
なお、だましに備えて損切りラインを必ず設定しておくことも損失を防ぐ上で重要です。
ダイバージェンスの種類
ダイバージェンスには2つの種類があります。
1.(普通の)ダイバージェンス
2.ヒドゥンダイバージェンス
それぞれ違う意味合いを持っています。
これまで解説してきたのは「(普通の)ダイバージェンス」を指しています。
ダイバージェンスは相場の天井と大底を見分けるために使えるテクニックです。
一方、ヒドゥンダイバージェンスの場合は、トレンド継続のサインを示しています。
ヒドゥンダイバージェンスとは?
ヒドゥンとは「隠れた」という意味です。
隠れたダイバージェンスということですね。
とはいえ、いくら探しても見つからないほど「隠れている」わけではありません。
一度その考え方を理解すれば簡単に見つけられます。
ヒドゥンダイバージェンスを使ってトレンド継続を予測してトレンドに乗る際の注意点は以下の3点です。
1.オシレータ系指標が買われ過ぎゾーンや売られ過ぎゾーンに到達してからエントリーを狙う
2.ヒドゥンダイバージェンスはエントリーシグナルではない
3.ローソク足のパターンやプライスアクションなどのエントリーシグナルを待ってエントリーする
となります。
いかがでしたか?
ダイバージェンスと一言でいっても、その出方によって相場が反転する兆候であったりトレンドが継続する兆候であったりします。
しかし、それぞれの出方を把握することで、相場の展開の可能性が分かったりトレンドの継続が予測できたりするのですから、トレードへの活用はかなり有効だろうと思います。
次回もお読み頂けると嬉しいです。
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