前回の「移動平均線」のお話はいかがでしたでしょうか?
概念はよく分かったけど、実際にどう分析してどう使っていけばよいの?と思われたかも知れません。
そこで今回は、移動平均線による「売買のポイント」となる「ゴールデンクロス・デッドクロス」の解説をしていきます。
ゴールデンクロス・デッドクロスとは?
ゴールデンクロス・デッドクロスとは、移動平均線の特性を利用して相場の方向性や転換予測をするためのチャートパターンの一種です。
「移動平均線」は一定期間の相場の終値の平均値を繋ぎ合わせた折れ線グラフですので、計算する期間が長くなるほど「移動平均線」はゆるやかになり、期間が短くなるほど実際の相場との連動性は強くなります。
この移動平均線の動き方の特性を利用して、短期線と長期線の2本の移動平均線を使って相場の転換を予測するのが、ゴールデンクロスとデッドクロスです。
ゴールデンクロス
短期移動平均線が長期移動平均線を下から上へ突き抜けること。
それまでの下降トレンドが終わったことを示し、また新しい上昇トレンドの始まりを意味するシグナルとなります。
デッドクロス
ゴールデンクロスとは逆に、短期移動平均線が長期移動平均線を上から下へ突き抜けること。
それまでの上昇トレンドが終わったことを示し、また新しい下降トレンドの始まりを意味するシグナルとなります。
ダマシに注意
ただし、これら「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」を含め、移動平均線のサインが表れて売買タイミングがすぐにやってくるというわけではありません。
しばしば「ダマシ」と呼ばれる誤ったサインが表れる場合もあるため、必ずしもこれらのサインが正しいとは限らないのです。
これら2つのサインは予想がしやすいため、相場の裏をかいて利益を獲得しようという相場の流れがあるからです。
ゴールデンクロスが出る前に買っておき、ゴールデンクロス後に売りにだして利益を獲得しようという流れがあると、相場は一時的に下落してしまいます。
そのためゴールデンクロス直後に買いを出しても逆に損失を受ける場合もあるのです。
「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」だけで売買の判断するのではなく、他のテクニカル指標と合わせてみたり、サインが出た後で様子を見て注文を出すなど、タイミングをずらして様子を見ながら取引をするとよいでしょう。
出た時の相場状況に注意しましょう
またゴールデンクロス(デッドクロス)が出ても結果的にダマシとなるパターンとして、保ち合い相場でのクロスがあります。
もち合いの相場だと長期線はあまり動かない中、短期線が目先の動きに反応して長期線をクロスする場合があります。
この場合は相場自体に方向性はないため、仮にクロスしても相場はもち合いで形成したレンジを抜け出すことができず、再びレンジに戻ってしまうことがあります。
この場合も他のテクニカル指標と組み合わせるとか、レンジを抜け出してから注文を出すなど冷静に対応しましょう。
いかがでしたでしょうか?
先ずは、移動平均線の分析方法の中でもっとも有名な「ゴールデンクロス・デッドクロス」を解説しました。
ただし、有名すぎるが故のだましもあるため、ゴールデンクロスとデッドクロスは、あくまでも参考程度にとどめておくほうが良いかも知れません。
1つの指標を信じ切るよりも、いくつかを組み合わせて精度を上げて取引をするよう心がけましょう。
引き続き、次回も移動平均線に関連した解説をしていきます。
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