二〇一六は「弾」
二〇一六は「弾」
美月聖夜akaケンケン
年が明けた。子どもの頃は、それだけで何となくワクワクしたし、何か楽しくて明るい未来が待っているのではないだろうか? という淡い期待を抱きながら新年を迎えていた。しかし、年越しを四十回以上も経験すると、そんな期待も持たなくなってしまう。
ただいつもと同じように、今日が昨日になり、明日が今日になっただけの話。
それでも、大晦日には去りゆく一年を振り返り、元旦にはこれからの一年をどう過ごそうかと思案する。大人になってからの年末年始は、だらだらと過ごしてしまいがちな毎日を区切るための大切な節目なのかもしれない。
一年の計は元旦にあり、という言葉に従い、毎年のように何かしらの目標を立てる。しかし、日々の生活を送るのに精一杯で、次第にそんな目標も忙しさに紛れてしまうのが常。それだったら最初から目標なんか立てなければ良いのだが、それでもこの時期は何かそういう区切りをつけずにはいられなくなる。
日頃、そういったことにはあまり興味を持たないような人でも、口には出さないまでも、心の中で大なり小なり、何かを決意したり、目標を立てたり、わずかな期待を抱いたりするのではないだろうか。
かくいうぼくも、毎年何かしらの目標を立てる。それが実現するかしないかは別として、何か指針のようなものがないと、毎日の生活にメリハリがつかない気がするから。
そんなぼくの二〇一六年の目標を漢字一文字で表わすとしたら「弾」である。これは、「弾ける」「弾む」という意味での「弾」。
四十八にもなると(ちなみに明日で四十八になります)、色々なことが億劫になり、何をするにしても保守的になったり、躊躇したりしてしまう。でも、今年はあまり先のことは考えず、行ったことのない場所に行ったり、やったことのないことにチャレンジしたりしようかなと思っているのである。思いきり弾けた一年にしなると良いなぁと思っている。
万年筆:セーラー万年筆 ナガサワオリジナルプロフィット
インク:丸善日本橋 日本橋リバーブルー
原稿用紙:飾り原稿用紙「波抹茶」