安田浩一氏の「地震と虐殺1923-2024」を読んだ。

読み応えのあるルポでした。

1923年に発生した関東大震災、その後に起った朝鮮人、中国人、社会主義者の虐殺を各資料から丁寧に事件を追っている。

 今、問題なのはこの虐殺事件を無かったことにする動きがあることである。ヘイトスピーチに現れるだけでなく、都知事の朝鮮人慰霊祭への追悼文送付拒否、国会での政府答弁では、当時の資料がないの一点張りである。

氏は、震災後の虐殺はそれ以前から日本人に潜在的に埋め込まれた意識が震災後爆発したものであるとしている。

 明治維新後、政府は江華島事件を起こし、朝鮮半島の侵略に着手し朝鮮を日本の植民地とした。その後日清、日露の戦争を機に中国大陸へも進出した。この時点で、朝鮮人、中国人は日本より下の民族との意識が芽生えた。その上、侵略に対して民族自決の日本に対する民衆の反乱がおきた。その都度、日本政府は武力で鎮圧してきた。その朝鮮人、中国人に対しては暴力を行使する事への自制がなくなった。そこえ震災が起こり、社会不安を朝鮮人虐殺へ向かわせた。時の政府も朝鮮人への警戒を覚醒し、未曽有の大虐殺が行われた。

氏が述べている様に、これは、加害者側である日本人こそ受け継いでいかなければならいない歴史の真実である。