昔々、日本のプロ野球界に長嶋茂雄というスーパースターがおってな。


それはそれは勝負強い選手であり、そして人気者であったんじゃ。




後年、記者が元チームメートにこう聞いたそうな。




「長嶋ってやっぱりカリスマだったの?」




すると返って来た答えはのう




「いや?・・彼は持ち家だったと思うよ」




・・・めでたしめでたし。



もひとつ長嶋茂雄のこと。



彼の残した名言でワシの好きなものがこれじゃ。




「勝負は家に帰って風呂に入るまでわからない」





審判がゲームセットと言っても

用具を片付けてロッカールームに戻っても

シャワーを浴びて着替えても

若手選手に「お疲れ様っしたー」と言われても

高級車に乗って鼻唄まじりに運転して帰路についても

「ただいま」と言いながら玄関ドアを開けても

奥さんに「今日は残念でしたね。一茂も悔しがってましたよ。軽く何か食べますか?それとも飲みますか?」と聞かれても

球場でシャワーを浴びてきたにも拘らず またお風呂に入るまで分からないらしいのじゃ、勝負というものは。

相手チームの選手も既にいないと思うんじゃがのう。




・・・めでたしめでたし。