世の中には興味深い名前の人がいるものである。

例えば青の時代やキュビズムで有名な画家ピカソ。
通称はパブロ・ピカソであるが、彼の本名は

「パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ホアン・ネポムセーノ・マリーア・デ・ロス・レメディオス・クリスピン・クリスピアーノ・デ・ラ・サンディシマ・トリニダード・ルイス・イ・ピカソ」

である。

「名は体を表す」という諺があるが、あの類稀な才能のバクハツを鑑みるとなるほどと思う。
これは祖父や祖母、そのまた祖父のように先祖の名前をつけまくったらこうなってしまったらしいが、正にスパニッシュ寿限無である。
多分本人も正確に把握してないのではなかろうか。
少なくとも早口言葉で3回連続では言えないだろう。
個人的には「ネポムセーノ」というところがちょっとしたツボである。

脱線するが、タイの首都・バンコクも正式名称がやたら長く、「クルンテープ〜なんちゃらかんちゃら(もの凄く長い)」
である。
(タイの方達、調べる気力が無くて申し訳ない。)

こんな名前の人もいる。

「エンゲルベルト・フンパーディンク」

"太陽は燃えている"のヒット曲で知られるポピュラー歌手だが、これまた凄い。
ゆっくり言うとその凄さをより味わえる。
諺の通りなら、この人もああ見えてフンパーディンクな感じの人間なのだろう。

私には聞こえるのだ。
昔、彼の故郷で交わされたであろう近所の人達の会話が。

「チョット聞いた?フンパーディンクさんちのエンゲルベルト。もう今年受験ですって。」

「あのヤンチャで走り回ってたエンゲルベルトが?早いわね~どこ受けるのかしら、エンゲルベルト。」

なんてね。

それから

「ガリレオ・ガリレイ」

幼い頃はともかく、物心ついてからよく嫌がらなかったと思う、ガリレオ。 

日本だったら

「タカハシ タカハソ」

のようなものである。
タカハソ君はきっと「ねぇ、何でこの名前にしたの?」と一度は親に聞くのではないか。

*タカハシ タカハソ氏、もし実在していらしたらお許しを。
その名が駄目と言っているわけではありません。
悪しからず。