まさか教頭先生が現れるとは思ってもいなかったので…

裕太も颯太もひどく戸惑っていた。

まさか本当に…この人が死神なのか、としばらく言葉を失った。

 

「頼まれたって…どういうことなんですか?」

つばをゴクリと飲み込むと、ようやく颯太は、教頭先生を見返した。

「ん…まぁ…頼まれたっていうか、行きがかり上そうなった、というか…」

なぜだか言いにくそうに、ひどくあやふやな、ハッキリとしない

物言いだ。

「えっ」

またも裕太は疑いの表情を浮かべると、

「今までの事、教頭先生がしてたんですか?」

 そもそもの原因は、誰なのだ…と眉をひそめた。

「先生が…死神?」

思わず裕太が口にすると、教頭先生は「うーん」とうなると、

「まぁ、当たらずとも遠からずかなぁ」

やはり、奥歯にものがはさまった言い方だ…

あれほど、凶悪で恐ろしい人物を想像していただけに、裕太はひどく

拍子抜けをしていた。

 

 教頭先生は、裕太と颯太の顏をじぃっと見つめると、おもむろに

はぁ~とため息をつく。

「何から話したらいいのか…」と言うと

「滝本は…もういないんだ」とだけ打ち明けた。

滝本は…もういない?

えっ?

あの…廃屋の持ち主は、やっぱりもう死んだというのか?

2人は、逆に生きていると信じていたので、その可能性は、

予想さえしていなかった。

口をポカンとあけて、またも教頭先生を凝視する。

(じゃあ、この人は一体…何者なんだ?

 やっぱり、ボクたちの味方じゃないのか?)

見慣れているはずのこの人が…急に得体の知れない、謎の

不気味な男に見えてきた。

 

 

 

 

 

 

 

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