よく見ると、ここからまっすぐ行ったところに、あの島が見えている。

それを目の端に確認すると

「あながち、この辺りは、ハズレじゃないかもしれないな!」

そう言うと、颯太はニッコリと笑った。

それからじぃっと海の向こうを見つめると

「もしかしたらまた…ここに来るかもな」

立ち止まって何か、心に決めているようだ。

 島との間の海は、丁度満潮にさしかかっている。

岩場の辺りも、次第に波がじわじわと押し寄せてきている。

今まで岩場であった足元も、いつのまにか海水につかってきている。

スニーカーが、じっとりと濡れてきているのに、ようやく気が付くと、

「そろそろ行かないと、この辺りも沈むのかもな」

颯太はあわてて、裕太の手を引いた。

「ね、あのどうくつのあたりも、水が来るのかなぁ」

ふと思いついたように、裕太が聞くと

「えっ?」

まるで今まで考えもしなかったようで、颯太は思わず立ち止まり、

崖の下のクボミの辺りを見つめた。

「もしかしたら…この辺りを探したら、神様の通り道、

見つけられるかもしれないなぁ」

裕太が急に思いついたように言った。

なんの気なしに言ったのだが、颯太は「あっ!」と声を上げると、

「それだ!」

パチン!と指を鳴らした。

「おまえって、さえてるなぁ」

思わず裕太の肩に手をやって、ユサユサ揺さぶると、

「おいおい、いつもだよぉ」

大きく揺さぶられるままに、裕太はケラケラ笑った。

だがすぐに、颯太は我に返ると

「ほら!早くしないと、波がくるよぉ」

慌てたように、ひゃあ!と飛びのいた。

 

 

 

 

 

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