それでも、目的の家に近付いてきたら・・・

時子さんの口数が少なくなり、なんだか緊張気味の顔になります。

車から降りるのを手伝うと…

善行は、時子さんの表情をうかがって、

「どうします?やめますか?

 今なら、間に合います」と、声をかけました。

時子さんは、杖をギュッと握り直すと、

「大丈夫、大丈夫です」と言います。

はた目から見ても、とても緊張しているようで、見ていて心配に

なります。

もうすでに、幸次郎たちも到着していて、じっと善行たちを

見ています。

大きく深呼吸すると、

「大丈夫」と言うと、善行の方を振り向いて、

「さぁ、行きましょ。

 みなさんを、お待たせしているわ」

ニッコリと微笑みました。

 

 一方、幸次郎たちも、時子さんのことを、心配していました。

中々出てこない善行たちを、今か、今かと待ちわびて…

「大丈夫かな?」

「かなり、気にしてるみたいだったけど…」

克也と話しているのを、

「大丈夫だよ、ゼンコーさんが、うまく話してくれるよ」

あくまでも能天気なよっちゃんです。

 ようやく近付いて来る善行たちを見て、

「さぁ、我々も、行きますか」

腰に手を当てると、お互いに顔を見合わせました。

幸次郎は、克也の顔を見ると…

「大丈夫、と思うけど、

 もしも何かがあったら、我々で、水際に止めよう」

そう言うと…うなづきます。

 

 

 

にほんブログ村 小説ブログ ノンジャンル小説へ
にほんブログ村
人気ブログランキング