窓の外をチラリと見ると、いつものような威勢のよさは、鳴りをひそめて、

「ゼンコーさん、どうやって、あの人たちに会わせるんだい?」

ふと気付いたように、幸次郎は聞きます。

善行は、腕組みをしたまま

「うーん、それなんだよねぇ」と言いました。

「もうね、余計な小細工はせずに、そのまんま、会わせるつもり

なんだけど…」

眉間に、軽く指を押し当てて、何やら思案顔。

すると幸次郎も、中々は入ってこない時子さんを見つめて、

「それもそうだなぁ~

 我々は何も事情を知らないんだよな」と言いました。

「それはまぁ、確かにそうだ」

少し難しい顔をして、話込んでいる、オヤジたちをよそに、

「ま、案外、なんてことないかもしれないゾ~」

よっちゃんが、のどかな顔をすると、

「おまえは、のん気でいいなぁ」

善行は言いました。

 

 こうして善行たちが、あれこれと、思いを巡らせていると…

じきに、引き戸を遠慮がちに開く音がしました。

チリリリリリ…

引き戸に取り付けられている、ベルが規則的なリズムで

鳴り響きます。

善行たちは、思わずピタリと口を閉じました。

一斉に、視線が集まるのに気付くと…

一瞬 気後れしたように立ち止まると…

「こんにちは!みなさん、おそろいで…」

ようやく意を決したように、時子さん、店の中にためしに1歩

足をふみいれたのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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