カイくんの鶴の一声で、ケンタはタカシくんと顔を見合わせます。
戸惑ったような表情を見せて、
「そんなことしたら…母さんにおこられちゃうよ」
上目遣いで、タカシくんは、カイくんの顔色をうかがいました。
さらに、ケンタの目をじっと見つめて、何かを訴えているようです。
ケンタもまた、同じような気持ちだったので…カイくんにどう切り出そう
と、頭をひねります。
でも…カイくんの提案にも、心を惹かれたので、少し困ってしまいます。
タカシくんと目を見合わせながらも…一応、カイくんの意見も
聞こう、と思ったのです。
「でも…どうやって行くの?」
そう聞くと…
よく聞いてくれた、という顔で、カイくんは表情を明るくしましたが、
すぐに顔をしかめて、
「実は、そこなんだよなぁ~」
そう言うと、妙に大人びた仕草で、はぁ~とため息をつくと、
「何かいいアイディアはないかぁ?」
と聞いてきました。
急にカイくんが詰め寄るようにして、ぬぅっとケンタの前に
顔を突き出します。
ケンタは「えっ」と言い、後ずさりします。
「そんなの、わかんないよぉ」
ボクに聞かれても…と、困った顏で頭をかくと、
「そんなの、わかんないよぉ」と言いました。
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