「今日はね、どうだったの?」

 いつもより、少し早めに帰って来た母さんは、メアリーさんの作った

肉じゃがを食べながら、ケンタに聞きます。

この日は、メアリーさんは、母さんが帰って来ると、そそくさと荷物をまとめて、

「今日は少し疲れたので、申し訳ないけど、これで失礼します」

珍しく、一緒に夕飯を食べることも、ゆっくりとおしゃべりすることなく、すぐに

帰って行きました。

あまりに、顔色が悪いので、

「帰り、タクシーを呼びましょうか?」

心配して、母さんが声をかけるほどで。

それでも、少し疲れた顔に、むりやり笑顔を貼り付けると…

「いいえ、大丈夫です。まだ、バスが動いていますから…」

これまた珍しく、母さんとほぼ入れ替わるようにして、帰って行きました。

 

「どうしたの?メアリーさん、ひどく疲れているみたいだけど…」

玄関のドアが閉まると、メアリーさんの後ろ姿を見送って、母さんは少し

心配そうに、眉をひそめました。

そうしてケンタを見ると、

「ムリさせたりしなかった?」

軽く責めるような目付きをすると…

「そんなことないよぉ」

ちょっと言い訳するように言いますが…今日、メアリーさんを引っ張り回す

マネをしたことを、言うかどうか、迷っていました。

 

 

 

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