裕太の心の内を読んだのか、男はヘラッとして、

「おまえ、一人で来たのか?」と聞く。

裕太は黙ったまま、コクリとうなづくと、

「へぇ~」と言いながら、裕太を値踏みするような目付きで、ジロジロと

見つめた。

「おまえ、面白いやつだなぁ。こんなところに来て、何かあったらどうするんだ」

そう言うと…底意地の悪いようなゾッとする目で、意味ありげに笑う。

裕太が黙ったままなので、「ふぅ~ん」と言いながら腕組みをすると、

「それにしても…何しに、こんなとこに来たんだ?」

その時、真っ黒な瞳に、裕太の姿が映った。

すると急に、裕太は怖くなり、身を固くした。

どこかに逃げ場がないかと、辺りを見まわす。

男の目は、深い闇を抱えたような色をしており、どんよりと底なし沼を

思わせた。

もしも裕太が、適当に嘘を言っても、すぐに見抜かれてしまうような、

そんな偽りを許さないような、色をしていた。

これは、いい加減なことは言えないな、と思う。

困った裕太は、助けを求めて、後ずさりをするけれど、ジワジワと

男がにじり寄ってきて、逃げ場を完全に閉ざされた。

どうしよう。

どうしたらいいんだ?

そう思っていたら、口が勝手に、

「ボク、夏休みの自由研究で、この島の地図を作ろうと思うんだ」

ポロリ・・・と、言葉が滑り落ちて来た。

「はぁ?」

男は、間の抜けた声を出した。そしてあらためて裕太を見つめた。

 

 

 

にほんブログ村 小説ブログ ノンジャンル小説へ
にほんブログ村
人気ブログランキング 宝の島を探しに行こう