ケンタもタカシくんも、もちろんカイくんも、約束の時間だの、

御迎えのこともすっかり忘れてしまっています。

再び外に出たカイくんの後を追って、2人は夢中になっていました。

「なんだか面白そうな場所が、あるじゃないかぁ。

 ちょっとぐらい見ても、怒られないだろ」

カイくんは、自分の都合のいいこじつけをして、まずは自分の

好奇心を優先です。

すっかり探検ごっこのモードで、顔を上気させて、ニコニコと

上機嫌です。

「え~っ!」と言いながらも、カイくんを放っておくわけにもいかず、

仕方なく、後に続きます。

カイくんの背中を追って、たくさん伸びる、バラのつるのフェンスを

歩くうちに、「あっ」と声を上げました。

 

「そうだ、ここって、迷路のようになっていたよ!」

急に思いだしたように言います。

「えっ?」

ケンタの隣を歩くタカシくんが、驚いて立ち止まります。

パット見ではわからないけれど、確かにどこへ行っても、

同じような見た目で…

やたらとうねうねと曲がり角があります。

この庭を取り囲むバラの枝を、黒く塗られた柵でかたどって、

まるでそこ全体が、巨大な迷路のようになっていました。

「これって、出られるの?」

タカシくんが、先頭を行く、カイくんの背中を見ながら聞くと、

ケンタは目を丸くして、頭を振ります。

「あの時…メアリーさんがいたから…」

そう言うと…カくんがいきなり振り向きました。

 

 

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