「後は、持ち主さんにでも、聞くんだな」

そう言うと、1代目はあわてて口をつぐみました。

それから、態度を変えて、

「悪いが、急ぎの仕事があるから、帰ってくれないか」

まるで追い立てるようにして、言います。

そうなると、善行も従わざるを得ません・・・

じゃあ、と、善行は潔く立ち上がると、

「すまない。ずいぶん、お邪魔しました」

口ではそう言うけれども、ほんの少し期待のこもった

まなざしを向けます。

だけども、それには気付かなかったのか、あるいは無視したのか、

こちらを見る目は、すでに光を失っていました。

 

 なんとなく不完全燃焼な感があるけれど、ある種の

達成感はそれでもあったので、

「とにかく、預けることができて、よかった。

後は・・・連絡が来るのを、待つとしよう」

やけにあっさりと幸次郎が引き下がるので、善行としては

うなづくしかありません。

なんとなく、疲労感もあり、シニアオヤジーズの面々は、

ひどく無口になっていました。

行きは歩いたけれど、帰りは荷物を無事に下ろしたので、

善行達も車で帰ることにしました・・・

(もっとも、歩けない距離ではないのですが)

さすがにからかう人もなく、なんとなく重苦しい疲れのような、

どんよりとした空気が、底の方に沈殿しているもどかしさが

ありました。

 

 

 

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