昨日の晩、じいちゃんは大慌てで描いたのだろう。

よく見ると、細かな部分は抜けているし、途中で、書くのを

やめた、部分もあるし、どう見ても、未完成の地図だ。

それでも・・・ないよりもずいぶんいいし、それにわかりやすいので、

母さんと額を突き合わせるようにして、その地図を解読していた。

 

「この辺が、家なのよね」

幾分楽しそうに、母さんが1点を差すと、

「小学校が、このあたり」

と言うと、やはり気になるのか、その指先を食い入るように、

見つめた。

「で、ここにがけがあるから、行くとしたら気をつけなくちゃね」

そうやって見ていると・・・もしかしたら、何かあるかもしれないな、

という期待がケムリのように、いつの間にか、現れてしまう。

裕太も、母さんの説明を気聞き漏らすまい、と思い、ポケットから

小さなメモを取り出すと、鉛筆で書き足して行く。

そうして、母さんも見つめるうちに・・・なんだか懐かしくなったらしく、

「ここは、お化け公園・・・よく遊んだとこね・・・」

 

懐かしそうに見つめるので、ユウタはふいに、

なんだ、母さん、覚えているんじゃないか・・・と思うのだ。

母さんは母さんで、思い出に浸っているので、裕太は当てが外れた。

だが、あの様子をみていると、生きる力が湧いてくるようで、

母さん、もしかしたら、

何か知ってるのじゃないか・・・」

裕太の瞳の輝きを見て、母さんは急に口をつぐんだ。

 

 

 

 


 

にほんブログ村 小説ブログ ノンジャンル小説へ
にほんブログ村


人気ブログランキング 宝の島を探しに行こう


人気ブログランキング