なんだそりゃ、今になって・・・

急に言い出す幸次郎に向かって、呆れて言葉が見つかりません。

「ま、ダメ元で・・・ダメならダメで・・・他のところへ行くから、いいさ」

「知ってるの?」

 

話しながら歩く道は、思ったよりスムーズで、いよいよ問題の店の

近くまで、たどり着きました。

先発隊のよっちゃんは、車の外に出て、こちらを向いて、待っています。

善行たちはそれを見て、歩を速めるわけでもなく、だがしっかいと

した足取りで、目的地に着こうとしていました。

ようやくよっちゃんに追いつくと、よっちゃんは早速、荷物を

下ろそうとします。

すると善行は、

「ちょっと待て」

と言って、その手を止め、よっちゃんの目をじぃっと

見据えました。

「いいか、こういう真面目なタイプはな、四角四面でもいかん。

おまえ、その辺、どうするつもりか?」

いきなり言われたよっちゃんは、「へっ?」と言って、

目を白黒させます。

「どう、って、時計を直してくださいじゃ、ダメ?」

と聞きます。

善行は、納得の表情で、うなづいています。

「やっぱりな」と言うので、

「なら、なんて言えばいいじゃないか」

うろたえて、目を泳がせるよっちゃん。

イジワルするのは、このくらい・・・と幸次郎は、軽く肩をすくめました。

 

 

 

 

 

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