考え込む幸次郎に、思わず善行が聞き返します。

うなづきつつ善行を見ると、

「腕はそう悪くはないが・・・ちょっと変わりものでな、それが

 いただけないんだ・・・」

顏をしかめる幸次郎に、今、初めて聞いた・・・とばかりに

「えっ?そうなのか?」

善行は、まじまじと幸次郎を見返しました。

「うん・・・なんだか 変なものを集める趣味があるんだ」

シニアオヤジーズのメンバーは、一斉に、顔を見合わせて、黙り込みます。

誰も、いいアイディアを思いつかないので、各々が、思いを

巡らせるのです。

「困ったもんだね!ほかに、どこかいいとこ、あるのだろうか」

 

最近は、昔気質の職人さんというのが、めっきり減りましたからね。

電池交換とか、ベルトの取り換えとか・・・さして素人が挑戦しても、

出来そうなサービスばかりが目立ちます。

直します・・・と引き受けたからには、せめてそれくらいの努力は

しないといけない・・・

困ったように、ため息をつく善行に、

「あ、それなら 問題ないよ」

案外さらりと幸次郎は、言います。

「なら、誰に頼むんだよ」

思わず聞き返す善行に、

「決まっているじゃないか」

幸次郎が、きっぱりと言うと、オヤジたちの視線が、一気に

こちらに集まります。

「先代に、決まっているじゃないか」

 

 

 

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