「問題は・・・車に乗るかだな」

 よっちゃんは、柱時計を前にして頭をひねります。

思ったよりも大きな時計・・・人一人分、ありそうです。

「トラックで、来ればよかったな」

少し悔しそうです。

まさか、柱時計を・・・しかも大ぶりの・・・預かるとは、思っていなかったので、

普通の乗用車で、来てしまいました。

「分解できるかな?」

よっちゃんが言うので、

「いや・・・窓を開けて、少しそこから出せば、いいんじゃないか」

善行は、少し顔をしかめて言います。

「バラしたら、元に戻すの、骨だぞ」

善行の言葉に、確かにそうだな、とよっちゃんもうなづきました。

 

 暗に反して、どうにかギリギリ、後部座席におさまりました。

預かりものなので、壊れては困る・・・と、シートの上に、

バスタオルをしいて、毛布でくるんで、そっと寝かせます。

「頼むから・・・安全運転で頼むよ」

善行が、重々しく言うと、よっちゃんは少しムッとした顔になり、

「いつだって、ボクは安全運転だろ」

少し口をとがらせます。

2人が四苦八苦、車に運んでいるのを・・・

女主人と内山さんは、見守っていました。

「ムリしなくて、いいですからね。

 それならそれで、預かっていただければ」

女主人がそう言うと、善行はニヤリと笑ってみせました。

「絶対に直して、また送り届けますよ」

そう言い切ると、彼女も言い返さず、黙ってうなづきました。

 

 

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