話はメアリーさんが帰る前に、巻き戻ります。

実をいうと、メアリーさんが帰る前に・・・金たらいの前に

かがみこみました。

ケンタからは、何をしていたのか、見えません。

身を乗り出すのですが、のぞきこんでいるように

しか、見えませんでした。

「何をしているの?」

背後で声がしたので、ケンタが振り向くと・・・そのすきに、

メアリーさんが、ポケットから何やら魔法の粉のような

ものを取り出して、パラパラ・・・とまきました。

 

「何か見えるの?」

電話を終えた母さんが、いつの間にか、ケンタの側に

立っていました。

「別に何も・・・」

そう言いながら、ケンタが再び窓の外を振り返ると、

メアリーさんはスルリ・・・とすり抜けると、

いつの間にかメアリーさんの姿が、あっという間に

窓の外に消えてしまいました。

ケンタは「あれっ?」と言って、もう一度見ると・・・

金タライだけが、ベランダの隅っこに、置いてあるのが

見えました。

 

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