「おい、どうした?ユウタ、さびしいのか?」

ソウタの声には、少しばかり、からかうような笑いも混ぜて、

忍び笑いをする。

 

 引っ越ししてから、裕太はすっかり、誰とも会わなくなって、

友達に飢えていた。

ひたすら誰かに、会って話がしたかった。

この辺りも、子供の姿を見かけないようになった。

人と会うのが、おっくうになっていて、

ここらには、ほとんどこどもたちは、いないんだろうなぁ・・・と、

裕太は少し、がっかりだ。

新学期になったら・・・ホントに、この学校へ行くのだろうかとか、

出来れば、また颯太と一緒の学校へ行きたい!と、今ほど

痛烈に思ったことはない。

そうしてまた、宝探しをするんだ、と思うのだ。

 

「どのくらい、いれそう?」

いつの間にか、受話器を強く、耳に押し当てていたのか、

耳が痛い・・・

それでも裕太は、全身が耳になった感覚になりつつ、全神経を

集中させた。

そこから漏れるのは、ソウタの言葉だ。

そこから聞こえる、ソウタの言葉を、1語句1間違えずに、

聞いていたい・・・そう思っていた。

「うーん、わかんないな!」

颯太はあくまでも、のんびりとした口調で答える。

「うちに泊まりなよ!一緒に神社を回ろう」

そこから徐々に、裕太の声が、元気を取り戻し、声がいつの間にか、

大きくなっている。

 

じいちゃんは、微笑みながら、「よかったな」と、口元を緩めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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