そう言うと、母さんは穏やかな目で、ケンタの頭に手を置きます。

「それでね・・・メダカのお世話をする気、ある?」

と、聞きました。

ケンタは母さんの顔を見上げます。

「つかまえて来てしまったのは、しかたがないわ。

そのかわり、今度はケンタがきちんと、エサをやらないとね」

と言うと、ケンタは「うん・・」と言うと、目をまん丸くします。

「それって、なに?きゅうり?りんご?」

真剣な顔をして聞くので、母さんは初めて笑います。

「そうねぇ~ボウフラとか、ミジンコとか・・・て、わかんないかぁ」

ちょっと考えると、

「メダカさんは、そんな大きなものは、食べないのよ。

水草とか・・・水の中のプランクトンとか、微生物とかって・・・

わかんないかぁ」

ケンタはじぃっと母さんを見つめると、母さんはにっこりと

微笑んで、

「そうねぇ、スーパーに売ってると思うから・・・

明日にでも、メアリーさんと、買いに行ってくれる?」

と言いました。

 

 メアリーさんはというと、いつもなら、ひと言あいさつをして帰るのですが・・・

ケンタとのやり取りを見て、静かに靴をはいて、素早く外の闇へ

と溶け込んでいました。

ケンタは窓に駆け寄ると、街灯の側で、こちらを向いて、見上げています。

「メダカはね、ケンタがちゃんと育てるのよ」

と言うので、ケンタは大きくうなづきました。

 

 

にほんブログ村 小説ブログ ノンジャンル小説へ
にほんブログ村
人気ブログランキング