こんなに大きな柱時計。

どうして、これに気付かなかったのだろう・・・

善行は思わず、自分の頭をこづきそうになりました。

まるで部屋の一部のように、しっくりときていたので全く

気付きませんでした。

思わず「あっ!」と叫びそうになって、車いすの女性と、内山さんが

いるのを思い出し、平静を装います。

しばし、他のことに気を飛ばし、ようやく落ち着いて、飾り棚の中を

のぞいて見ると、この家の女主人の趣味なのでしょうか。

マイセンのカップとか、ジノリのティーポットとか、バカラのグラスとか、

年代物のワインとか、趣味の人がいたら、よだれを垂らして欲しがるような

逸品が、案外無造作に突っ込んでありましたから、もしかして

自分達が探していたのは、これなのか・・・と、思ったのです。

 

善行の視線の先に、気付いたのか・・・車椅子の女性は、

にっこりと微笑んで、

「今日、来てもらうかどうか、すごく迷ったんです・・」

と切り出しました。

「壊れてるし、大きいので、あずかってもらえるのか、どうなのか・・・」

ためらいがちに言うと、

「壊れてるんですか?」

よっちゃんは、自分も何かしよう。少しでも、人の目についたら、

うれしいと・・・ふいに、元気よく口を開くので・・・善行は、

変なこと言うなよ~と、少し警戒した顔になりました。

「ホントに、壊れているのかどうか、わからないのですが、

多分ネジが壊れたのか、何かだと思うのですが・・・」

と言うので、それは一体、どれなんだ、と善行は目で探しました。

 

 

 

 

 

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