するとさすがの刑事さんも、‘しまった'という顔になり、

「今、教えるわけにはいかないんだ」と言う。

「それは困ったな」と、岸本先生。

「今、教えてもらわないことには、こちらも仕事にならないしね」

ジロリ・・・と、目に力をこめて、刑事さんを見返した。

「先生は、案外ガンコだなぁ」

刑事さんは、呆れたように言う。

「そう人に、言われませんか?」と、少しからかうように。

すると岸本先生は「おあいにく様」と、澄ました顔で

「私は、根がマジメなもので」と言うと、

「それは どうかな?」と、刑事さんはおかしそうに笑う。

だが、目だけは、笑ってはいなかった。

先生は、もちろん、負けてはいない。

ここはテコでも、動かないぞ、と、しっかりとした強い決意の色を、

その目に宿らせていたので・・・じきに、刑事さんも目をそらせ、

ため息をついた。

そして、「ちょっとこっちへ」と、警官の前から茂みの方へと、誘導すると、

「困るんですよ~先生があんまり表立って来られると。

警察も、先生のことを、マークせざるを得なくなるから・・・」

と声を潜めて言ったので、岸本先生は「へっ?」という顔になった。

「ボクって、怪しいですか?」

思わず、素っ頓狂な声を出した。

 

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