「そうそう!」

克也は思い出したように、言います。

「カメさんが、ぜひ、ネットで店の宣伝をしてくれ、

 と、言ってたぞ」と言うと

「おやすいごようだ!」

幸次郎は、大きくうなづきました。

幸次郎が差し出した液晶画面に、踊る文字は・・・

まるで善行の想い出屋を、たいそう美しくロマンティックに

書きたてていて、善行はなんだか気恥ずかしさに、

身の置き所がない・・・体中かきむしりたいくらい、

照れ臭かったのです。

むしろ、この文字を、不特定多数が読む、ということを

想像するだけで、しばらく人目にさらされたくないくらい・・・

むずがゆかったのです。

 

「それでさ、もっと具体的な金額だとか、詳しい内容だとか、

もっとわかりやすく並べた方が、きっとお客さんが

増える気がするんだ」

幸次郎は、自信たっぷりな顔をしました。

「そうなのか?」

こういうことには、疎い善行。

反論することなど、思いもつかず、ちょっと歯が立ちません。

いいなりになるしかないのが、悔しいけれど、ここは

幸次郎の言う通りにした方がいいのではないか、と

ここはぐっと自分を押さえることにしました。

 

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