「何言ってんですかぁ~人聞きの悪い・・・

 ただの、探し物ですよ」

と、妙に苦しい言い訳を。

確かにこの状況、誰が見ても、空き巣狙いのコソ泥にしか、

みえないかもしれない・・・

岸本先生は、今更ながら、冷や汗を・・・

「まぁ、そういうことに、しましょうか」

吉川先生はニヤリと笑う。

「しかし、先生には、コソ泥の才能が、あったとは・・・・」

と、からかうように言うと、

「ボクだって、そうですよ」

あきらめたように、岸本先生は言った。

吉川先生は、岸本先生を支えるようにして、立ち上がると

「ま、そういうことだ。帰ってもいいかい?」

と言うと、用務員のオジサンは、2人の話を聞いていたのか、

何も言わずに、体をずらした。

無言で吉川先生は立ち上がり、岸本先生の肩に手を置くと、

「この件は、私に預けてくれ」

と言うも、オジサンの反応は、皆無に等しかった。

立ち去ろうとする、2人の背中に、

「まってください」

と、低いかすれた声が、かかった。

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