「吉川先生!」

岸本先生は、思わずホッと、ため息をついて、吉川先生を

見つめた。

「先生、なにしてるんですか。空き巣?」

吉川先生は、汗をふきつつ、ニヤリとした。

「そんな、人聞きの悪い・・・」

思わず知らず、笑みがこぼれるけれど、吉川先生のおかげで、

助かった・・・という安心した気持ちが強かったのだ。

 

用務員のオジサンは、バツの悪そうな顔をして、

腰を落として、しゃがみこんだ。

もしも吉川先生が来なかったら、どうするつもりだったのか・・・

聞くのも、怖い気がする。

「先生こそ、ここで、何してるんですか?」

岸本先生が聞くと、吉川先生は「はっ?」という顔になり、

「何言ってるんです?

校門の怪しい人物を追いかけたら、裏山の方に逃げ込もうとする

と、見せかけて…急にダッシュで走り出すから、

見失うかと焦りましたよ・・・まさか、先生の空き巣の現場を

見させられるとは・・・」

と、軽口をたたくので、少し焦って言い訳をしようと、忙しく考えを

巡らせていた。

 

 

 

 

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