ところが、ハルミくんが傷ついたように、押し黙ってしまうと・・・よっちゃんが

こらえきれなくなり、かばうように飛び出すと、

「腕時計が、遺品の中に、ありませんでしたか?」と、聞きました。

父親は、(なんだ、こいつ?)という目で、よっちゃんを見ると、

「なんだ・・・あったんじゃないか?」と、興味なさそうに言うと、ハルミくんは

顔をあげました。

「あれは・・・どうしたのかな。捨てたのか?」と、あいまいな記憶。

「どこにしまったか、わかりませんか?」

思わず善行が乗り出して聞くと、(今度は、こいつか?)と、呆れ果てた顔になり、

「なんだったかなぁ~アクセサリーと一緒に、したんじゃなかったっけ?」と言い、

「おーい!」と、奥の部屋に、声をかけました。

身じろぎする音は、聞こえてくるけれど、シンと静まり返り、人の気配は、さほど

感じません。

しびれを切らしたのか、もう1度、

「おい!」と呼んだあと、すぐさま、父親は、ドスドス足音をたてて、隣室をのぞき込むと、

ズカズカ入り込んでいきました。

さすがの善行も、これには唖然として、よっちゃんと、顔を見合わせました。

 

にほんブログ村 小説ブログ ノンジャンル小説へ
にほんブログ村
人気ブログランキング

AD