「おまたせ」

ケンタの母さんが、声をかけてきました。

ケンタくんは、母さんの側を走り抜けると、ユウタたちの方へ、駆け寄って

来ました。キョロキョロしながらも、べったりと、お兄ちゃんたちにくっついて

います。

白い車は、もちろん誰も乗っていなくて、どこにいるのか・・・と、

母さんが探しているようでした。

 

「どこで、待ち合わせですか?」

ソウタが、母さんに声をかけると、

「校門のあたりなのよね・・・」

母さんは、自信なさそうに言います。

「とりあえず、行ってみましょう」と、一旦、その場を離れました。

 

校舎の脇をすり抜けると、愛想のない男が、無表情に、花壇の手入れを

しています。

「こんにちは」

母さんが声をかけるけれども、チラリ・・・と一瞥するものの、無言で

そっぽを向きます。

「なんだ、感じ悪いなぁ~」

と、ユウタがこれ見よがしに言うと、

「こら!失礼だぞ!」と、ソウタが止めました。

「仕事中なんだから、邪魔したら、いけないだろ」と、たしなめると、

母さんは、感心したように、ソウタを見つめ、

「あなたは、かしこいわねぇ。ホントに小学生?」

なんて、トンチンカンなことを、聞きました。

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