ユウタは、ケンタの母さんの言葉に、笑ってごまかすしかない。

例のごとく、玄関先に、ランドセルを放り投げて、

家を飛び出した・・・「ただいま」「いってきます」

状態だ。

ユウタは、少しうしろめたさもあってか、つい、

ソウタの方を向くと、

「そういうオマエは、どうなんだ?」

と、口をとがらす。

すると、ソウタはごく平静に、

「もちろん、きちんと荷物を部屋に置いて、ラインで親にヒトコト、書いときましたよ」

と、ユウタをみると、ちぇ~と、バツの悪そうな顏をしました。

「あら」と、今度はケンタの母さんが、驚く番です。

「今の子供って、すごいわねぇ~

スマホ、持ってるの?」と言うと、

「持ってるというより、持たされてるんです」

とソウタ。「みんながみんな、そうじゃありませんよ」と、困ったような、顔をします。

「そうそう」と、言いながら、ユウタは付け足すように、

「ソウタは、塾に行くから、親が心配して、持たせてるんだよ」と言うと、

「いいなぁ~ボクも欲しいなぁ~」とボヤきました。

 

 そうこうしているうちに、少し灰色がかった建物が見えてきました。

「ついたわ」と、ケンタの母さんがつぶやくと、

ユウタとソウタも静かになりました。

ケンタも、ピクッと、体をこわばらせると、

母さんは無言で、車を目的地へと、近づけました。

 

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